ぷっくりとした幹が何ともいえず、魅力的な塊根植物パキポディウム(Pachypodium)。パキポディウムといっても色々な種類があるのでその大まかな分類と原産地、パキポディウムの魅力や育て方のコツなどを紹介しています。
パキポディウム(Pachypodium)の魅力
パキポディウムの魅力は育ててみるとわかりますが、塊根だけではありません。実は春の新芽、1ヶ月近く次々と咲き続ける黄色い花、元気な夏の葉、塊根を含めた成長の様子と1年を通じて変化が楽しめる植物だ。
休眠中のパキポディウム・恵比寿大黒の動画です。
パキポディウムの分類
パキポディウムの自生地は主にマダガスカル、一部はアフリカです。アフリカ原産としてはサキュレンタム(Pachypodium succulentum)が南アフリカ、光堂(Pachypodium namaquanum)は南西アフリカが原産です。パキポディウムは25種ほどが知られており、そのうち20種ほどがマダガスカル原産。パキポディウムには変異や交配種も多いとのことで最終的には花で見分けるようです。詳しいことはわかりませんが、マダガスカル産のものについては、黄花と赤花で大きく2つの種類に分かれるようです。
ほとんどのパキポディウムが稀産種でパキポディウム属は全てがワシントン条約に記載されている貴重な植物です。
黄花(白変あり)
ロスラーツム(基本種)はマダガスカル北西部、ロスラーツム カクチペスはマダガスカル南部。その他のビレビカウレ、デンシフローラム、ホロンベンセ、ロスラーツム グラキリスなどはマダガスカル中央高地に自生しているそうだ。
赤花
バロニー、バロニーウィンゾリーはマダガスカル北部に自生しているそうだ。
確かにデンシフローラムとビレビカウレの交配種としてデンシカウレ(恵比寿大黒)という可愛い品種もあります。複数育てていますが、我が家にあるものがどれもまだ幼いためなのか、ホロンベンセとデンシフローラムの違いはよくわかりません(笑
黄花どうしは似ているだけあって交配しやすいのでしょう。
マダガスカルの気候
黄花の多くが自生しているマダガスカルの中央高地の気温を調べたところ、マダガスカルは南半球にあたるため日本と季節は逆転していますが、マダガスカルの中央高地に位置するアンタナナリボで最も暑い時期の最低気温は17度、最高気温は28度。最も寒い時期の最低気温は10度、最高気温は20度。
暑い時期には1ヶ月に300mm程度雨が降るようなのですが寒い時期は1ヶ月に8mmとほとんど降らない、もしくはパラっと降った位の乾いた状態のようです。日本よりおだやかな暖かい所に自生している植物なのだということがわかります。
日本(自生地以外の場所)でパキポディウムを育てようとする場合、原産地の状況や気候の情報を参考に自生地の環境から大きくはずれないようにして育てるようにすればパキポディウムはきっと育ってくれるはずです。
どこからはじめても楽しいパキポディウム
育てるにあたっては、どの育成段階のものからはじめるかによって違いがあります。
- 種から育てる
- 2〜3年育てられた小さな株
- ほぼ完成された大株
入手できるものを分類するとほぼこの3パターンでしょう。
種から育てる
タネから発芽させて育てるのはとても楽しくおすすめでありますが、育たないリスクは高い。入手したタネが全て発芽するとは限りません。数種類のパキポディウムを10粒程度ずつ何度かチャレンジはしましたが、発芽は6割と思っていたらよいかな。という程度です。
全く発芽しないこともありました。無事に発芽してもうまく育たないものがあり、かなり目をかけているつもりですが、枯れてしまうことも多いです。
ただ、そんな中でも成長してくれるものにはその分愛着が深くなります。
2〜3年生の子株から
店先などで幹が親指大ほぼに育った株が販売されていますが、発芽から3年近く経った株と思われます。ちょっとしたことで枯れてしまう不安定な小さな株の時期を無事に越えた元気な株が多い。幹の変化の水不足サインをうっかり見落としてしまったとしても、すぐに枯れたりしてこないので、はじめてパキポディウムを育てる方にはよい時期の株だと思います。
ただし、まだ小さいので翌年の春に花は咲かないかもしれません。
ほぼ完成された大株
大株はやっぱりかっこいい憧れです。しかし値段が高いことや、根を取った状態で輸入された株の場合、枯れてしまうことが多いようです。購入するなら、信頼できるお店で購入したほうがよいでしょう。きちんと管理されているお店であれば「発根管理中」などのラベルが張ってあったりします。お店の人に聞いてみるとよいでしょう。
日本に来て何年か冬を越している株に関しては適応もしていて比較的難易度は下がり安心して育てられます。ただそういった株は値段がやはり高くなりがちです。
パキポディウムの育て方
パキポディウムは多くが温暖な気候のマダガスカルが原産。主に夏型のため春から秋にかけて成長をします。寒い冬は葉っぱを落とします。春になり暖かくなると開花します。
春〜秋の管理
葉っぱがついたまま越冬する株もいますが、春になると新芽が出始めます。花を咲かせる株は花を咲かせます。花柄が上がってきたら徐々に水やりを開始。成長が旺盛ではなく気温も低い場合があるため用土が乾いて数日したら水をやる。
直射日光の日当たりの良い場所で管理する。特に株が大きくなってくると水やりの頻度はすくなくてもよく用土が乾燥したら水を与える。水やりの頻度を多くすると成長が早まります。
パキポディウム、冬の管理
寒さに弱い種類は最低気温が15度、強い種類でも最低気温が5〜10度になってくると落葉を始めます。落葉を始めたら室内に取り込みます。基本的には落葉したら断水をしますが、葉が残っている状態で幹の部分が凹んできたりした場合は、数日で乾くくらいの少量の水を与えても良いでしょう。
ある程度大きい株であれば蓄えがあるので春まで断水でもよいかもしれません。
パキポディウムの植え替えについて
数年に一回、水はけが悪くなった際に植替えを行うとよいでしょう。
用土について
植物の培養土に赤玉土や鹿沼土を配合して水はけのよい用土を利用します。元肥にはマグァンプKなどの緩効性の肥料を入れます。
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