主に多肉植物などを栽培している場合の腰水や底面給水についての説明です。
腰水とは
水を張った受け皿や容器、バケツなどに、直接鉢を浸して鉢底(底面)から給水をさせること。灌水(水やり)方法の一種で、底面給水とも言う。
このページでは、長期間の腰水と水耕栽培は分けて考えている。
基本的な水やり
一般的に鉢植えの植物の場合、観葉植物でも鉢花でも多肉植物でも、水やりは鉢の上部から植物ではなく表土に水をかけ、鉢の底から水が流れ出したら終了し、鉢の下に水を受けるものは置かず、水は鉢から流し切る。というのが基本です。
用土中には空気も入っているので、空気の入れ替えという意味合いも含まれています。鉢底に水がたまっていては空気の入れ替えの妨げになります。
鉢の下に皿などを置くのは室内を汚さない為、という人間の都合の意味合いが大きいように思います。なので基本は鉢の底にある皿などに水をためないことです。鉢底に水がたまっていると土の中の通気性がなくなり排水性を低下させ、根の活力が抑制されてしまいます。
皿にたまった水をすぐに捨てて皿は空にする。これが健全な根を育てるしいては健全な植物を育てることになります。
では、鉢底の皿はだめなのかというと、これも人間の都合になってしまいますが数日水をやらないでいると枯れてくるような植物には、留守にしてしまうなど水やりができないことが予想される時に水を適量皿に入れておいて底面給水させることができます。
ただこうしたこともあまり頻繁だと根腐れなどで植物を枯らしてしまう原因となるので、植物の様子をよく観察してうまく付き合っていくことが大切です。
多肉植物の場合、何日も水をやらないことは普通なので基本的に水をためておくための皿は不要です。
腰水はどういう時に利用する?
植物を実生した際に
サボテンなどの多肉植物を実生した際に、発芽するためには水分、高い湿度が必要なケースがある。その際、腰水を実施し鉢にはラップをかけたりすることで常に湿度が保たれている状態を維持できる。
実生し発芽したばかりの株や、まだ株が小さいうちは乾燥に弱く、水切れをすると枯れてしまう。多肉植物の場合、小さいうちは腰水を実施したほうがよいケースが多い。
腰水を実施している期間は、たねの植え付け時から発芽して双葉が出る位、もしくは本葉、サボテンならトゲっぽいものが出る位までの間。様子を見ながら腰水をやめている。下記は参考レポート。
腰水をいつまで継続するかは難しいが、概ね苗が大きくなって自根で成長できるようになったと思われる時期が良いだろう。特に小さいうちは水が足りなくなると枯れてしまうものも多い。ただし常時湿っていると根腐れを起こす可能性があるので判断は難しい。
根張りが弱い株や実生株の灌水(水やり)に
植え替えしたばかりの根張りの弱い株や実生株に水を与える際、特に用土が細かい場合など、上からジョウロで水を与えると表土が浮いてきたり水圧によって掘り起こされてしまったりする。
そのような場合は、腰水による底面給水を行うことで表面にダメージを与えずに水やりができる。腰水の時間は開始してから表土が十分に濡れるくらい。用土によるが30分程度。
発根促進に(植え替え、輸入株、子株分けた際)
根を切られた状態で輸入された植物(ベアルート)や大きく根を切った場合、子株を切り離した場合など、水分を感じて新しい根を伸ばす特性を利用した発根促進の場合に腰水を利用する。下記は腰水レポートです。
上からの灌水(水やり)が好ましくない植物の水やりに
表面がトリコーム(白い粉のようなもの)で覆われていたり、綿毛の多いサボテンの場合、直接水をかけてしまうと見栄えが悪くなってしまう場合がある。また上から水をかけることで水がたまり腐りやすい植物など。そういった植物は表土に直接水をかけるか底面給水を利用して水やりを行うのがよい。
また表面からの十分な水やりが困難な状態の植物に関しても底面給水にて灌水(水やり)を実施できる。
水やりは難しい!
こうして色々書いてはいるが、干からびさせたり、枯らしたりしている。なぜ枯らしてしまったかは必ず考える。水やりの失敗?ということも多い。
その植物に合った育て方を調べるても、よくわからないことが多い中、自生地の気候を調べてみたり等してはみるがここは日本だ。どうしても日本の環境(というか自宅の環境)に合わないものは滅んでしまう。
せめて水やりだけでも、植物の満足の行くように思うのだが、、、難しい。