アガベの子株が成長しないので腰水で発根管理を実施

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アガベの子株を外してから2年、まったく成長をみせず、鉢から出してはないものの根が成長していないと予想される。同じタイミングで外した同サイズのアガベを腰水で発根管理(水耕栽培)をして成長速度を比較してみた。

子株を外してから成長しない

アガベの子株を2016年5月にある程度大きくなっていたので親株から外して鉢上げした。3号角鉢に植え付けて様子をみていたが2年経っても一向に成長をみせない。種類はアガベ・ポタトルムのホワイトエッジやアイスクリームと言われる綺麗なアガベです。

2016年7月16日に撮影。5月に植え替えた時から見た目は変わっていない。通常のアガベと同じ管理をしてしまったからか水分が足りず発根しなかったのではないかと思われる。

2016年10月29日に撮影。外側の斑の部分が赤くなった。アガベの斑入りが赤くなるのは寒さか水不足(水切れ)のケースが多いが、水切れを起こしているのではないかと思う。

腰水などは実施していたが、表土に苔が生えてきたりするために途中で切り替えている。

2018年6月13日に撮影。約2年後の姿です。2年間でほぼ成長をしておらず下葉がかれるのみとなった。潅水の頻度が少なすぎて発根していないのだろう。ただ定期的に潅水をしているのと、完全には枯れないのでどうにかして水分は補給していると思われる。

アガベの抜き苗を2年放置したことがないのでわからない。もしかすると抜き苗は2年持つのかもしれない?(そんなことはあるのだろうか)このままだと枯れてしまうので根出しをしたく腰水(水耕栽培)で根出し実験を行ってみる。

片方の鉢で腰水の実験

腰水管理について下記を参照してください。

発根管理の実験のため、片方の鉢を腰水実施、もう片方の鉢を何もしない状態で実験を行ってみた。腰水とは鉢受けなどに水を貯めて随時用土が濡れている状態を維持することです。写真では右の鉢をトレーにいれ水を貯めています。プレステラ90の場合、100円ショップで売っていた小物入れがちょうどよいサイズで見栄えもよくいくつかストックしています。

(参考)多肉植物・サボテンにおすすめな黒プラ鉢のまとめでプレステラ90を紹介しています

ぴったりでなくとも、普通の鉢受けなどでも大丈夫です。

2018年6月23日に撮影。腰水をスタートさせた。かなり下葉が枯れ込んでしまい可愛そうなことをしてしまったと思う。左の鉢が腰水を実施している鉢。右の鉢が通常管理の鉢、他のアガベ達と同じような水やりタイミングで管理をしている。

2018年7月9日に撮影。17日後。左の腰水鉢の開きそうだった葉が開いた。右の鉢は変わらず、下葉が枯れ込んできた位の変化。

2018年7月15日に撮影。23日後、前回から6日後。左の腰水鉢の株の葉が開いてきた。結構気温が高めで腰水の水が結構な速さで無くなってしまう、鉢の水がなくならないように水やりを行う。リキダスを双方の鉢に与えた。

2018年7月30日に撮影。38日後、前回から15日。左の腰水鉢の株の葉が開ききった。右の通常管理(とはいえ週に何度か表土が乾いたら水やり)は全く変化がない。

2018年8月7日に撮影。46日後、前回から8日。左の腰水管理の鉢の新しい葉が展開をはじめた。右の通常管理は変わらず。もしかしたら左の腰水鉢は発根がかなりされたのかもしれない。

腰水発根管理の鉢は、少々立派な感じになってきた。

2018年8月27日に撮影。66日後。新しい葉も展開した。腰水は継続していた(たまに水を切らしているが)。前回の更新(8月7日)より右側の鉢も潅水頻度を非常に高めているが実験開始より全く成長を見せていない

2018年8月27日に撮影。腰水開始以来、一度も鉢を上げていなかったが鉢を上げたら白い根っこがでていました。水耕栽培したときのような感じの根っこでしょうか。根にダメージが与えられてしまいますがそろそろ実験は終えて右の鉢を腰水して成長を促してみようと思う。

2018年10月5日に撮影。右側の鉢を約1ヶ月腰水したもの。腰水を開始するとすぐに反応をして根が動き出したようだ。実験中全く動かなかった右側の鉢が、この1ヶ月で約2枚の新しい葉を展開し終えた。また左の鉢も腰水をやめているが約2枚の新しい葉が展開した。

2018年10月29日に撮影。右の実験中の鉢からも鉢底から根が沢山でてくれた。きちんと根が張ってくれたようだ。

同じく2018年10月29日に撮影。葉の色もきれいになってきちんと成長をしてくれるようになった。約5ヶ月の実験だったが、根が張らず成長しないアガベに関しては腰水の有効性が合ったのではないかと思う。

結果の振り返り

特に子株のアガベで発根していない場合は、腰水管理をして発根させ活着を早い段階でさせたほうがよい。根を張ることで通常の成長を再開する可能性が高い。ただ水耕栽培と用土による栽培では根のタイプが違うのは気になるポイントではありますが…。

水耕栽培で発根を促進したり、発根促進剤の水耕栽培で発根を促進したり、様々なやり方があると思うが、追って機会があれば検証していきたいと思う。

自分の場合は、株分け、植替えを実施した後に根が活着するまで腰水管理をする方がその後の成長のためには良いのではないかと思う。ベアルート(根なし輸入株)の株などにも有効だと思うのでなかなか成長しない株などで試してみるのもよいだろう。

アガベの育て方に関するコンテンツです

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この記事を書いた人

yurupu

ゆるぷの管理人。会社員(東京)植物栽培歴は20年。栽培環境は東向きベランダ→南西向ベランダ。400鉢くらいを管理。最近はマイナーな灌木とユーフォルビアの普及種が好きです。日本ブロメリア協会(BSJ)、国際多肉植物協会(I.S.I.J.)会員。