多肉植物の病気対策 | 殺菌剤を使ってみる

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ギムノカリキウム・バッテリーが部分的に茶色くなっているのに気付いた。なんだろうと思っているうちに広がっていく。何らかの病気のようである。真因はわからないが、殺菌剤によって再び元気になった。同様な症状のサボテンには効くと思うので紹介したい。また予防のための散布も実施した。

病気のギムノカリキウム・バッテリーの様子

バッテリーの病気の様子

多肉植物用という用途はあまりない

植物用の殺虫剤、殺菌剤はたくさんあるが、表示を見ても野菜や果樹、庭木のことばかりで多肉系の植物のことは書かれていない。箱の病気の植物の写真から判断して炭そ病か、灰色かび病のような病気ということにして(実際なんの病気なのか、本当に病気なのかすらよくわからない)その薬を購入した。

殺菌剤を作る

多肉植物用の殺菌剤「ベンレート水和剤」

ベンレート水和剤を購入した。0.5gの粉薬が10袋入った小箱だ。0.5gで1リットルの溶液ができる。つまり標準的には2,000倍の希釈で使用するものだ。多肉植物に対する薬害の有無も不明なので、標準もしくはやや薄めで作ってみた。

2リットルの空のペットボトルに1袋いれて水を半分程度入れれば2,000倍希釈のベンレート液になる。手軽にできるが、一般的にベランダに育てている程度の数の植物に噴霧するだけなら1リットルは多すぎる。余った液を下水に流すのは絶対にNGだ。

使う分だけ作って噴霧

私の場合、500-650cc(ml)位の空のペットボトルに1袋の約半分(目分量)を入れ、水を加えて作った。650ccのボトルに入れれば薬の量が半分でなくともやや薄めになっているはずだ。残った粉薬は袋をきっちり折ってテープで止めた。次回また同じように作ることができる。

100円ショップで購入したペットボトルにつけられるようになっているスプレーの先(2組売りされている)を取り付けて漏れないことを確認したらよく振って消毒液の完成である。

霧状になるようにスプレーを調整して対象の植物にまんべんなく噴霧。液がしたたり落ちるくらいスプレーする。なお、展着剤は使用しなかった。病気?の疑いのあるものには特によく噴霧し、ついでに他の植物にも予防を兼ねて適度に噴霧した。

それでも200cc位余ってしまったので翌日頃合いを見計らって再び噴霧して使い切った。

薬剤を散布する時の注意点

風のない、曇の日にスプレー(霧吹き)するのがよい。近所で洗濯物を干していたら遠慮しよう。そういう意味でも人の活動が少ない朝方のほうがおすすめかもしれない。

ベランダの場合、植物に雨が当たらない条件であれば、風のない雨の日が良い。雨ならば外に洗濯物を出す人も少ないし、薬剤の入った霧も雨で落とされ飛散することも少ないだろう。農薬なので取扱に注意する必要がある

自分の防御も怠りなく

肌の露出を極力少なくし、マスク、手袋、ゴーグルもあるとよい。窓は閉める。消毒しようとする植物はなるべく下の方に置いて、上に向かってスプレーしないようにしたい。まず一吹き植物にスプレーして飛んでいる霧の様子を確認する。無風のようでも空気の流れは必ずあるのでなるべく自分が風上になるようにする。作業が終わったら着ているものを脱ぎ、手や顔を洗う。

自分にかからないように注意していたつもりだったが、終了後、目がチカチカして流水で洗った。プールに入ったあとのような目の感じが数時間続いた。ちなみに私は薬に敏感なタチである。

説明書をよく読む

何についても言える、基本的なことではあるが、これは薬品です。使用上の注意をよく読んで正しく使用しましょう。

ギムノカリキウム・バッテリーの病気が止まった?

ベンレート水和剤の散布から半年ほど経っている。ギムノカリキウム・バッテリーの謎の病気の進行は止まった。特に薬害もない様子。茶色に変色した部分は元に戻らないようだが、広がってはおらず、成長をはじめてくれた分、変色部分は小さくなったようにも見える。つぼみも出てきた。トゲの部分もバッテリーらしいしっかりしたものが出てきて元気になってくれて嬉しい。ベンレートを使ってみてよかった。

新たに病気の植物が続出?

グラキリスの実生株が冬の落葉後、春になってもなかなか葉が出ず心配していたところ脇の方から葉が生え始めた。成長点のある頂点から生えないのでよく見ると異変があるように見える。

アガベの斑入りにも変なところに少し枯れのようなものが入り、心配だ。そこでまたベンレート水和剤でベンレート溶液を作ってスプレーしてみたのでその結果はまたお知らせしたいと思う。

お手軽な薬ならボトル入りスプレータイプか

異変の程度がまだ軽いとか、予防も兼ねてというならボトル入りでスプレーもついている液体の薬が手軽でよいかもしれない。虫も病気もこれ一本でというような完成品。作る手間もいらない。

ただ一般的にヒトの薬にもいえることだが、何にでも効きますというのは何に対してもある程度効くという感じかもしれない。試して見るならよいかもしれない。説明書をよく読んで使用しよう。

(6/30追記)経過の報告

ギムノカリキウム・バッテリーが開花しそうで、元気になってくれてよかったです!

パキポディウム・グラキリスも成長点からの成長はしないがそれ以上の悪化はせずに、脇芽が沢山でてきちんと成長してくれています!よかった。

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この記事を書いた人

yurupu

ゆるぷの管理人。会社員(東京)植物栽培歴は20年。栽培環境は東向きベランダ→南西向ベランダ。400鉢くらいを管理。最近はマイナーな灌木とユーフォルビアの普及種が好きです。日本ブロメリア協会(BSJ)、国際多肉植物協会(I.S.I.J.)会員。