アデニア・グラウカの剪定方法、塊根部分の作り方

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アデニア・グラウカ(Adenia glauca)は幹の根に近い部分が太くなる植物(塊根植物)で、その塊根が大きくごろりとあり、そこから何本か幹が出てというイメージで育てていきたいところだが、剪定(切り戻し)せずに水や肥料を与えていても塊根部分から次々と幹が出てくることはないようで、円錐状に幹が1本伸びていくばかりである。種から何本も実生で育てているので剪定してみた結果を報告。

アデニア・グラウカの剪定時期は冬

アデニアグラウカは冬は葉を落とし休眠する

アデニアは多肉植物というよりも普通に水が必要な植物だと思う。塊根植物と呼ばれている。葉が出れば水はほぼ毎日のように与えるし、肥料(ハイポネックスなど)も必要な種類だ。夏は朝水やりしても夕方には水涸れして葉がしおれている時も多く、朝晩2回与える時期もある。

秋に向かって、水やりは朝だけとなり徐々に水を必要としなくなる。葉が落ちれば休眠でほとんど与えない。気になった時に少し与える程度。そんな休眠の時に思い切って幹を切り詰める。

(参考)アデニア・グラウカの植え替えについては下記で説明しています

剪定時期の適期は2月頃?

アデニアの活動が完全に停止している状態で安定している時期なので思い切った剪定をするのは2月中が良い。3月に入って暖かくなり始めると急激に芽吹きの準備を初めてしまうからだ。木が芽吹きの準備を初めたあとにその準備をしていたものを切られてしまうのは木にとってもダメージが大きい。

なるべく元気に育ってほしいと思うなら芽吹きはじめる2ヶ月前くらいに剪定を済ませることをおすすめする。成長中の夏などに剪定してもよいが成長の勢いが弱まってしまうのでオススメはしない。ただし強い植物なので成長中の剪定も可能です。

芽の出るポイントを知る

芽はどこからでも生えてくるわけではない。ここと思う所で切ってみてもよいが、芽が出るポイントを知っていれば、新しい幹がどこから出てくるのか目星をつけることができる。

芽の出るところは過去に葉が出ていた部分。幹に形跡が残っている。種から生えて、はじめての冬を迎えた株と2回目の冬を迎えた株で試したが、切り口のすぐ下の葉の跡とその次に切り口に近い葉の跡の2箇所から芽が出た。

ただし葉の跡ぎりぎりのところで切るとそこは生きずにその下の2つがはえる場合もある。塊根の形や幹の出方を想像して剪定する場所は慎重に決めよう。そして思い切って切ってみる

今まで何本も切っているがどれも2本はえてきた。

adenia glauca剪定前の写真
アデニア・グラウカの剪定前の写真
adenia glauca剪定後の写真
アデニア・グラウカの剪定後の2/24写真

切る前と切った後と同じ位置で写真を撮影した。

ここから出ると格好いいかなと思ったところの芽を残す。せっかく伸びて育っているのにかわいそうとは思うが、観賞用の植物の定め。ただし切ること自体が植物にとってダメージだと思うので塊根の部分まで切っていない。(どこから塊根部分かは難しいところだが)

アデニア・グラウカの剪定後の経過

アデニア・グラウカの3/1写真

これは5日後の写真。切り口が縮まっているのがわかる

アデニア・グラウカの剪定3/27に撮影
アデニア・グラウカの剪定3/27写真

3月末(東京都23区内)はよほど寒くない限り外に置いている状態だ。桜の開花の頃には動き始める。

アデニア・グラウカの剪定4/14に撮影
アデニア・グラウカの剪定4/14写真

それから3週間ほど経ったもの、芽が出てきている。

違う株ではあるが4月上旬

アデニア・グラウカの剪定6/13写真

6月中旬の写真

6月下旬の剪定を記録してきた株の様子だが、この個体はこじんまりと塊根を日光から守る(隠す)かのように育っている為、写真からはわからないが、2本の幹が各々しっかり葉を出している。

アデニア・グラウカの剪定6/25写真

切り口の様子、発芽した幹が太くなるにつれ切り口は小さくなっていくことがわかる。

7月18日に撮影。

ずいぶんと立派に育ってきてくれました。剪定部分の横からの枝が太くなり全体的に丸かった塊根部分が横に広がったような形になった。暑さか水涸れかわからないが成長点が枯れてしまって、成長点周りから新芽が出てきて葉っぱが生い茂るような感じになっている。

11月中ごろから葉は黄葉します。ずっと外に置いていましたが最低気温が5度位になったので、12月に入ってから室内にいれました。水は土が乾いて何日か経ってから与えています。

12月10日に撮影。2月に選定した株です。夏の盛りに2本出た幹の先端が枯れたため、それ以降は小さな芽がいくつかでるくらいで幹は高く伸びませんでした。綺麗に黄色く黄葉して、葉を落としたばかりの状態です。

以前の写真と比較すると、塊根部分が育っているのがわかりますし、根が張っていると見られプラ鉢が変形しています。

こちらの株も2月に選定した株です。こちらも夏の盛りに幹の先端が枯れそこから2,3本新しい幹(枝)が出て、今は黄葉、落葉中です。こちらも塊根が育ちプラ鉢はぱんぱんです。

選定の傷口は目立たなくなってきている

このあと、完全に落葉したら休眠ですので、春までしばらく水を与えません。気になる場合は、霧吹きする程度です。2月頃にまた選定しようと思います。そして3月頃、植え替え予定。

2021年2月4日に撮影したアデニア・グラウカ(Adenia glauca)
2021年2月4日に撮影したアデニア・グラウカ(Adenia glauca)

18年の2月に剪定した株です。3年経ちました。大きく育ってきました。

アデニア・グラウカの色々な剪定方法

剪定から1年経過

これは昨年2月に剪定してみたもの。それ以来どこも切っていない。昨年剪定後芽吹いてから液肥など適宜与えていたので塊根部分も個性的に大きくなってくれた。出た幹もバランスが良かったので、今年は一回り大きい鉢に根を痛めないよう植え替える鉢増しをして肥料を与えている。

塊根上部の白い部分が剪定の跡。去年生えた2本の幹からは葉や枝はでず、幹の先端の部分から幹が伸びて今年の新しい幹にだけ葉が出る。

去年の夏〜秋はバランスが良いと思ったが、今年成長を始めると剪定の切り口から近かった方の幹が主幹として大きく育ち始めている。

7月18日に撮影、5月に撮影したときよりも一回り塊根部分も樹形も大きくなっていることがわかる。

アデニア・グラウカは何もしないでいると枝分かれはほとんどしない。元気に成長していると上へ上へとぐんぐん伸びていき、巻きひげまで出して他人様に巻き付いて自分を支えながらなおも伸びようとする。

ベランダなど限られた広さの場所では塊根部分は大きくとも、枝葉の部分はある程度コンパクトであってほしい。そこで長くなった枝の途中で切ってみた。

写真の中ほどの茶色の部分が一ヶ月程前の切断した部分。

切り口直下の葉の付け根ではなく切り口から2枚目と3枚目の葉の付け根部分から新しい枝が生えてきた。

他にも何本か切ってみたが、いずれも切り口より下へ2枚目と3枚目の葉の付け根の部分から生えた。切り口と1枚目の葉が近すぎたため1枚目の葉の付け根の部分から芽がでなかったかもしれない。切ると2本にはなるようだが枝というよりは上に伸びる枝が2本になったという感じだ。

剪定は奥が深い

剪定したものはキズの修復と新たな枝出しにエネルギーを使うのかほとんど巻きひげ(ツル状)はでない。芽の出し方のポイントを知った上で剪定すればある程度思うようにできる。だが、剪定してもどう育つかはアデニア・グラウカ(Adenia glauca)次第である。こちらの思惑通りにならないこともしばしばだ。

剪定しない育て方も

アデニア・グラウカはツルを伸ばす

アデニア・グラウカを剪定しない場合は、ぐんぐんと枝を伸ばしていく。また葉っぱの生えてくる部分から巻きひげ(ツル状)が出てくる。実生3年程度の株でもうまく育てると1.5mを超える長さまで成長した。こういった育て方もありだと思うけれども鉢は動かせなくなる。冬に落葉した際に切り離して室内に取り込む必要がある。

どこかに捕まることができた巻きひげはそのまま維持されるがどこにもつかまることができなかった巻きひげは役目が無いのか枯れてしまう。

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この記事を書いた人

yurupu

ゆるぷの管理人。会社員(東京)植物栽培歴は20年。栽培環境は東向きベランダ→南西向ベランダ。400鉢くらいを管理。最近はマイナーな灌木とユーフォルビアの普及種が好きです。日本ブロメリア協会(BSJ)、国際多肉植物協会(I.S.I.J.)会員。