最近人気のアガベ・チタノタですが、特徴の多様性や流通量がここ数年でかなり増えたように思えます。生産者や販売者ではなく消費者側として見たアガベ・チタノタの変貌を2010年位から2020年時点の記録として残しておきます。
アガベ・チタノタとは
種類としては、変化があったのは2019年位に海外のラベルでよく記載されていたAgave titanota ‘FO-076 Sierra Mixteca’とAgave titanota ‘Rancho Tambor’がそれぞれAgave oteroiとAgave titanotaとして登録されました。
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以前より今ほどではないが日本で出回っていて、多くが「Agave sp. No1」という名前で出回っていた。写真は2014年頃に「アガベ ナンバーワン錦」という札で入手した斑入りのチタノタです。
※日本語表記はこのブログでは世の中の呼称に合わせて「チタノタ」としています。
アガベの人気
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過去10年のトレンド。マーケットは右肩上がりですね。このトレンドはアガベに関してはアガベシロップなど食品としてのアガベも含みなので一概に言えませんが昨今のアガベ人気がわかります。
なお2016年位から多肉植物系の盛り上がりがあり、ハオルチアは減少傾向、エケベリアは横ばい、ユーフォルビアは微増、パキポディウムは近年徐々に増加、アガベは右肩上がりという感じ。
アガベ・チタノタのマーケットの変貌
主にオークションでの取引や参考文献などを元に。というか「日本のアガベ・チタノタ オークション史」です。
画像はauction.yahoo.co.jpの出品画像より。引用方法としてはオークションIDと出品日を記載しています。同じ種小名の特徴違い及び変化を伝えるため画像を引用させてもらっています。
2010-2012年のアガベ・チタノタ
まだオークションでは種類がなく、「アガベ・ナンバーワン」「アガベ・ナンバーワン錦」「アガベ SP ナンバーワン」という名前で流通している。もしくはAgave titanota。矮性タイプ(現在の呼称のチタノタ 姫厳竜だろうか)が多く流通。なおオークションでは月に数株程度。値段も安い。

(引用)ID:e116240054 2011/11/7出品
白刺だったり小島だったり厳竜だったりという名前が稀に出てくる。ほとんど状況は2010年と変わらず。この頃はまだそもそも園芸関係の出品が少ないのかもしれない。2012年にAgave titanota ‘Blue Ball’(アガベ・チタノタ ‘ブルーボール’)の輸入株らしきものが出現した。
2013-2014年のアガベ・チタノタ
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(引用)ID:e150957916 2014/11/25出品
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(引用元)ID:r121124628 2014/11/19出品
まだこの頃は呼称としてはアガベ・ナンバーワン。一部「アガベ・チタノタ」として輸入株が流通を始めた。当時はブルーボール(Blue Ball)がメイン。2013年から「アガベ・チタノータ」の呼称で出品が増え月に十数件の流通となった。アガベ・チタノータ ‘ブルー’やAloe hybで有名なケリーグリフィン氏(Kelly Griffin)由来らしいアガベ・チタノータ ‘ブルーボール’や’ホワイトアイス’という呼称で出回り始めた。多分アメリカからの輸入だろう。
2014年はトレンド上でも検索数が多くなってきたと思われる年で、徐々にアガベ・チタノタ人気が上がっていった頃だろう。毎月20件以上の流通となり金額もAgave titanota ‘Blue Ball’は大きい株で確か10,000〜15,000円くらいの取引だったと思われる。突如2014年にアガベ・ナンバーワンの矮性タイプを農大系と呼び出してみたり。
2015−2016年のアガベ・チタノタ
2015年頃から名前付けが多種多様になる、ブルーボールのことをブラックアンドブルーという呼称で呼ぶようになった、チタノータとナンバーワンの合わせ表記が増えてゆく。FO-076やSierra Mixtecaなどの輸入株と思われる株も若干出回り始まる。
アガベ・チタノタ ‘白鯨’という呼称のアガベ・チタノタが年に数件でているがどれも違った見た目で、白刺強めを白鯨としているように思える。
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(引用元)ID:f154688481 2015/6/9出品
2016年から遂に種の出品が始まり、それなりに需要が高くなってきたということだろう。若干株のサイズが小さくなり取れた子株を販売する人が増えたのと、画像詐欺が結構横行している。1枚目が親株でもなく参考株であったり。2016年後半は実生苗も出回る。大体月に100株程度は流通しているように思える。
Agave titanota ‘Red Catweezle’(アガベ チタノタ レッドキャットウィーズル)やAgave titanota ‘Filigree’が出現する。海外で勝手に?命名されたような感じの輸入アガベもかなり出回る。Agave titanota ‘minor’ ‘Lanky Wanky’ ‘Tiger Shark’ ‘wavy leaves’ ’Shark Shoui’ ‘White Shark’ ‘Sunburst’ ‘Solar eclipse’ ‘Tower’ ‘X-ray’など。
2017-19年のアガベ・チタノタ
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(引用元)ID:b277483131 2017/9/26出品
2017年以降、大体毎月数百〜1,000株くらいの流通量になってきた、輸入株、実生苗、子株、種子と入り交じる。眺めるのが辛くなるくらいの出品数と同じ画像(種子や参考株)になった。以前はなかった発根処理も管理もしない輸入株のベアルートが一気にでてきて、この頃から輸入してそのまま横に流すことが始まったのだろう。多分アメリカだろうか。ナンバーワンの矮性は台湾系だろうか。チタノータがチタノタに変わりゆく。
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(引用元)ID:t584079410 2018/8/1出品
オークションではないが並行してinstagramなどでの苗販売も2017年あたりから数年盛んだった気がする。
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(引用元)ID:v604970678 2018/12/21出品
2018年にアガベ・チタノタ ‘ブルーボール’がアガベ・チタノタ ‘ブラック&ブルー’に変わる(移行期)、ただブルーボールもホワイトアイスも昔と様変わりしたようにも思える。
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(引用元)ID:337088310 2018/11/13出品
この頃は、昔からあるナンバーワン、矮性、たまに見かける本物の白鯨っぽいもの。と数多くのFO-076の選抜となっている。大株の輸入が多いし、子株の販売も多い。名前の散らばりは一時期ほどではなく固定されてきた。
Agave titanota ‘Red Catweezle’(アガベ チタノタ レッドキャットウィーズル)が多く輸入されているのと2016年辺りの株の子株だったり大きくなった株が多少出回っている。台湾系と思われる陽炎や黒炎みたいな単語が極稀に出始める。
2020年のアガベ・チタノタ
台湾からのアガベなどがここ2年くらいで急に増えてきた。代わりにアメリカからの大株輸入株的なものが以前に比べると減少してきた。烈焔、黒火焔、黒炎、あたりAgave oteroiの選抜(Agave titanota ‘FO-076 Sierra Mixteca’選抜)以前から同様な特徴の株はあった。姫厳竜は古くからあるAgave Sp.NO1の矮性に近い。交配という感じではない。
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(引用元)ID:e317811536 2020/9/3出品 29,500円で落札
2020年のアガベ・チタノタのマーケットは
- 古くからあるナンバーワンや厳竜と呼ばれていたもの
- 古くからある矮性
- 古くからあるナンバーワン錦
- Agave titanota ‘FO-076 Sierra Mixteca’ 選抜種(交配込?)
最後に
画像はもっと手元にはたくさんあるが引用の範疇で利用しています。アガベ・チタノタに関してはリアルとネットの販路、流通量、人気の乖離が大きい種でもあるように思える。昔から日本の中で色々な選抜が流通はしていたが、最近は多くが輸入されている状況。昔国内流通で見たことあるタイプも含めて。
実際、アメリカでは組織培養が盛んだったりするし、株分けなのか交配なのかが不明ではあるが台湾やタイなどからの輸入が今後も増えていきそうに思える。実際多種多様な流通があって多様性が増し参加者としては楽しいと思う。取引過熱しているようにも思える。株は親株ではなく子株だったり一回り小さい株が多く出回っている。
出品者を見ていると、何人かの方がアガベ・チタノタの輸入を積極的に行い、誰かが勝手に名前を付けはじめそれをマネているという傾向も見て捉えた。
生産者でも販売者でもない、消費者側としてみたアガベ・チタノタの2010年〜2020年のマーケット変貌でした。
おまけ情報ですが、2005年くらいの某兵庫の多肉植物・塊根植物を扱う園では、厳竜(SP No.1錦)と農大厳竜という名前でカタログ表記ありました。それなりに大きい株で3,000円くらい?チタノタ人気の高さが伺えますね。
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