植物育成用LEDライトの選び方①LEDスペクトル比較

インドア園芸に欠かせない人工照明としての植物育成用LEDライト。植物育成専用から一般的なLEDライトまで色々と比較をしてみました。スペクトル表も掲載しています。

植物用LEDライトのスペクトル比較

蛍光灯(昼白色)のスペクトル
蛍光灯(昼白色)のスペクトル

波長は大事と言われる。室内園芸というと赤青のLEDライトがイメージされるが最近はフルスペクトルの製品が増えてきた。そちらのほうがインテリアに馴染む。この記事では波長による植物の育成比較実験ではなく、各製品のスペック(波長・スペクトル)についての考察としたい。

光合成にはクロロフィル(葉緑素)という色素が関わっているが、これは図2に示すような吸収スペクトルを持っている。これを見ると、赤色(660nm近辺)青色(450nm近辺)に二つの吸光合収ピークがあり、この波長が光合成に特に有効であることがわかる。白色光が葉に当たると赤と青が吸収されて、残りの光は緑が多くなるので葉は緑色に見えるのである。筆者らの実験によると植物の健全な生育にはこの赤色光と青色光がバランスよく配合されていることが大切で、後に述べる光量子束密度の単位でR/B比(赤と青の比率)が10:1あるいは5:1が適切なようである。

文部科学省のサイトより

太陽のスペクトル

太陽のスペクトル
太陽のスペクトル

太陽は偉大である。自然環境なので可視光線以外にも色々含まれるので当然ではあるが偉大である。虹も綺麗だし。演色評価数Raは98.5。計測時の色温度は4600K。計測する時間によりますが14時頃は660nm付近がピークなのですね。

植物用ではない家庭用LED製品のスペクトル

蛍光灯(昼白色)(種類不明)

蛍光灯(昼白色)のスペクトル
蛍光灯(昼白色)のスペクトル

蛍光灯です。LEDのデメリットは若干ありますがほぼメリットしかなく蛍光灯は消えゆくのではないかと思っています。植物栽培用のライトにも積極的に利用するものではないと思います。400nm以下の紫外線が含まれますね。昼白色ということもあり赤色が殆どありません。450nmの青色が強く、650nmの赤色がほぼない。演色評価数Raは59.3。

Philips Hue 電球色 LED電球

Philips Hue 電球色 LED電球のスペクトル
Philips Hue 電球色 LED電球のスペクトル

スマートスピーカー対応のPhilips HueのLED電球です。スマートスピーカー対応で通信機能を持っているため価格に対しての出力が小さいので植物育成用のLEDライトにはなりませんが、概ね他の電球色のLED電球も同じ傾向だとおもいます。青色の450nmのピーク性と赤色の660nmの多さは良いと思う。演色評価数Raは84.3。

アイリスオーヤマ シーリングLED 3000K(電球色)

アイリスオーヤマのLEDシーリングライト(電球色)のスペクトル
アイリスオーヤマのLEDシーリングライト(電球色)のスペクトル

アイリスオーヤマのコンパクトなシーリングLEDです。上記のPhilips Hueよりもやや青みがかった色です。色温度が2700Kと3000Kの違いでしょう。450nmの相対的な量が増えて逆に650nmあたりがぐっと減っている事がわかる。演色評価数Raは80。

アイリスオーヤマ シーリングLED 5000K(昼白色)

アイリスオーヤマのLEDシーリングライト(昼白色)のスペクトル
アイリスオーヤマのLEDシーリングライト(昼白色)のスペクトル

Philips Hue 2700K、IRIS 3000K、IRIS 5000KのLED照明。上記のIRIS 3000Kに比べて更に青色が強くなり赤色が弱くなっている事がわかる。可視光線があるので光合成ができないわけではないが赤色が足りなくなりそう。演色評価数Raは79.2

植物育成LEDライトのスペクトル

OUMMET 3本アーム型 65W LEDライト

OUMMET 3本アーム型 65W LEDライトのスペクトル
OUMMET 3本アーム型 65W LEDライトのスペクトル

Amazon.co.jpでランキング上位にいる3本アームの植物育成用LEDライトです。そもそも65Wじゃなくて実測は13.7Wです。そしてスペクトルを見ると自分の計測機器が狂っている可能性はありますが、660nmにピークがあるという謳い文句は偽りだろうか。演色評価数Raは81.7。色温度は3100K。下記で詳細レビューしています。

AMATERAS LED(アマテラスLED)20W

AMATERAS LED 20W (アマテラス LED)のスペクトル
AMATERAS LED 20W (アマテラス LED)のスペクトル

2020年の(多肉植物でも利用できる)植物育成用LEDライトの大本命、AMATERAS LED 20Wです。青色が若干強めにでてますが赤色660nmもきちんと出ている。青がやや強めの色温度は6000K。演色評価数Raは95.8。非常の素性が良い植物育成用LEDライトだと思います。下記で詳細レビューしています。

EnFun 120W LEDライト

EnFun 120W LEDライトのスペクトル
EnFun 120W LEDライトのスペクトル

amazon.co.jpでも中国製の植物育成用LEDライトが多数販売されていますが、AliExpressで色々探して一番良さそうなパネルタイプの植物育成用LEDライトを輸入してみました。UVとIRライトがほんの少し入っているはずですが継続できず。ただ植物に重要とされる青色450nmと赤色660nm付近に相対的に高い出力があり特性は良さそうです。演色評価数Raは88.1。色温度は3400K。下記で詳細レビューしています。

LEDライトのスペクトル比較まとめ

ページを公開時点で計測しているスペクトルを並べてみました。どれも一長一短ではありますが植物用を謳っている「AMATERAS LED」と「EnFun LED」は良いスペクトルだと思います。また光源を一つにする必要はないので組み合わせも良いと思います。例えば家庭用の昼白色LED電球に660nmが強いライトを組み合わせるなど。

660nmが強い照明は、電気代無視した白熱電球、赤色LEDライト、あとは色温度が非常に低いLED照明あたりでしょうか。素性の良さそうな「AMATERAS LED」に赤色660nmあたりを追加できたりすると良さそうですね。

植物育成LEDライトと普通のLEDライトの違い

上記のスペクトルの比較より「660nm付近の割合が大きい」という点があげられます。上記の通り例えば蛍光色と電球色のLEDを混ぜて利用したり、調色機能付きのもので赤色に変える、赤色系のLEDを追加するなどでバランスが取れる可能性がありますが、植物育成用LEDの場合は1つの電球やパネルでサポートされているというのが通常のLEDライトとの違いと言えると思います。

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この記事を書いた人

yurupu

ゆるぷの管理人。会社員(東京)植物栽培歴は20年。栽培環境は東向きベランダ→南西向ベランダ。400鉢くらいを管理。最近はマイナーな灌木とユーフォルビアの普及種が好きです。日本ブロメリア協会(BSJ)、国際多肉植物協会(I.S.I.J.)会員。