パキポディウム・デンシフローラム(Pachypodium densiflorum)| 育て方・成長記録

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塊根植物として人気のあるパキポディウム(Pachypodium)。パキポディウムには赤花、黄花など色々種類がありますが、マダガスカル原産で黄花系のパキポディウム・デンシフローラム(Pachypodium densiflorum)の育て方・成長レポートです。

この記事で取り上げるパキポディウム・デンシフローラム

2016年8月10日に撮影。購入後半月ほどの頃

こちらのパキポディウム・デンシフローラムは店頭で販売されていたものを購入しました。幹の大きさが親指大ほどに育っています。おそらく実生2年か3年目の子株です。日本で生まれ育ったものと思われます。この記事はこの株を数年育てたレポート形式になっています。

植物を育てはじめるタイミングとしては、

  • タネからはじめる
  • 発芽から不安定な時期を過ぎてそれらしく育ちはじめた子株(苗)からはじめる。
  • ある程度大きく育った株からはじめる。

という大きくいうと3つのタイミングがあります。

生まれたばかりの不安定な時期を無事に乗り越えた元気な子株たちが店頭に並んで、新しい出会いを待っているかのようにたたずんでいました。

その中の一株にピンとくるものがあったので購入しました。

購入後の自宅の環境に慣らす

すぐに植え替えが必要ではないと判断してそのまま育てました。家に持ち帰ってすぐに日光に当ててやりたいところですが、この株がどのような環境にあったのか不明なので、まず2〜3日は明るい半日陰に置いて様子を見ます。

その後1〜2時間直射日光が当たるような明るいところに移動させてまた数日様子を見ます。それで何事もなく元気ならいよいよ一番日光の当たる場所に出します。我が家は南西ベランダなので植物にとって一番良いとされるやわらかい朝日が残念ながら全く当たりません。

ベランダに日光が照り始めるのは10時頃からなので、結構強い日差しが突然あたりはじめます。このパキポディウム・デンシフローラムが朝日を受けて育っていたとすると、急に強い日差しからはじまるのはストレスなはずです。

このようにして、その時の天候にもよりますが概ね10日ほどかけて自宅の日照の環境に慣らしてから育てます。

水やり

夏の時期でしたので、表土が乾いて数日経ってから水を与えます。水の量はその時の様子をみて、鉢底から出る位たっぷりやったり、鉢の中半分以上は湿ったかなというくらいだったり、毎回たっぷりは与えていません。これは自然では雨が降るたびたっぷりの量は降らないのではないかという自分の勝手な憶測からです(笑

パキポディウムの水やりの判断として、幹にしわが出る水枯れサインを確認してからという方法があります。表土が乾いてそろそろ水やりかなと思ったとき、幹の様子を観察すると、少ししわが出はじめたところかな?ということも多いです。

表土が乾いて数日、というタイミングでは水の与え方はやや多めと言えるかもしれません。気温によっても乾き方に違いがありますので暑い時期は表土をみる方法はよいですが気温が低くなってきた場合は、幹を見て判断した方が根腐れを起こさずにすむかとおもいます。

ただし大株の場合はなかなか幹にシワが出にくかったりもします。とにかく観察することが大事です。

肥料を与える

パキポディウム・デンシフローラム(Pachypodium densiflorum)は我が家の環境にもすっかり慣れて元気に育ってくれて葉もたくさん出しました。購入時期がほぼ真夏だったので夏の暑い盛りを過ぎた頃から水やり代わりに液肥を数回与えました。

肥料のタイミングはあとは春、新しい葉がある程度育ったころ水やり代わりに数回液肥を与えます。

室内に取り込む

最低気温が10度位に下がるようになる頃には、だんだん室内に取り込みます。

2016年12月の様子。葉が落葉した。

初冬のころ葉はやや赤味がかった黄色に黄葉してやがてすべて落葉しました。よく見ると成長点が3つになっていました。

休眠中の管理

落葉すると基本的に水は与えません。ただ時々様子を観察して幹に水涸れサインがでているようであれば少しだけ水を与えます。

他の植物に霧吹きで水をかけたりするときはついでにパキポディウム・デンシフローラムにも軽くかかる程度にかけています。

2017年2月9日に撮影。

なるべく日光の差し込む窓辺に置いています。

春の管理

外の気温が室内の気温とあまり差がなく暖かくなってくるとだんだん外に置くようにします。室内での日光の当て方を考慮しながら外の環境に慣らすため日光の当たる時間を調整しながら最終的に日光のよく当たる場所へ戻していきます。寒くなる日もあるので室内に戻ったりもします。

植え替え

この株はとても元気で、鉢が小さく感じられるようになったので新芽がでる直前に植え替えを実施しました。

2017年3月23日に撮影

根も元気そうです。土は赤玉土を主に鹿沼土と普通の園芸用の土を2:1:1位に混ぜて使用しました。底の方にマグァンプKも少々入れました。

水をほとんどあたえていないのでちょっと貧相(笑 まだ断水中なので植え替え後悩みましたが水を与えました。

2017年3月24日に撮影(植え替え、水やりの翌日)

翌日の写真です。

春の水やり

休眠から覚める頃の水やりが少々悩みどころです。ほぼ断水の状態から急に水を与えるのは根腐れの原因にもなりかねません。

芽が動き出してから少しずつ与え始めるのが良いと思います。水枯れのサインを見ながら与えたほうが良いでしょう。

2017年4月19日に撮影。

はっきりと3箇所から新芽が出始めました。新芽がどんどん成長するようになったら水やりのタイミングでたっぷり水を与えても大丈夫です。やはり表土が乾いて数日後ですが水枯れサインも確認して水を与えるか判断します。

葉の成長する時期は水や栄養が必要と考えられますので、気温もすっかり暖かくなった4月末〜5月頃には水やり代わりに液肥も与えます。

夏に向かってパキポディウム・デンシフローラムの枝分かれはぐんぐん伸びました。塊根に太くなっていただきたいのに枝ばかり伸びていく気がします。

水分が多いからでしょうか?それともパキポディウム・デンシフローラムが元気だから?葉の枚数も多くとても元気に育ってくれていると思われます。

葉を切ってみた

2017年夏「趣味の園芸」で多肉植物特集があったので購入しました。その中にパキポディウムの葉を切ることで塊根を大きくするという記事があったのでパキポディウム・デンシフローラムで試してみました。

「葉を半分に切る」というのは、椿などを挿し木するとき、切った枝(挿し穂)から根を出し安くさせるために行うという例はあります。

葉を切ることで枝が葉に水分などを送る負担を減らして枝が発根に力を使えるようにするというような意味合いがあるのだと思います。

また常緑樹など葉の茂った木を植え替えた場合に根を切ったりしてしまった分、木の負担を軽減させるために枝を間引いたり葉を切ったりするというのは聞いたことがあります。

元気なパキポディウム・デンシフローラムの葉を半分に切ることで葉に行く予定の栄養分などを幹にためようということなのでしょうか?

大きく元気そうな葉を切ってみました。透明な少し粘り気のある液がたれてきました。剪定なのだと思えばそれっきりですがまるで怪我をして血をながしているという雰囲気でかわいそうになってしまい、立派な塊根でなくてもよいから元気に無事に育ってくれれば充分だと自分がすっかり弱気になり途中で切るのを中断しました。

それでも数枚ほど切りました。

葉を切ってみたその後

2017年10月29日に撮影。

春と比較すれば塊根部分も大きくなっていますが、葉をきったことで大きくなったのか単にこのパキポディウム・デンシフローラムが元気で成長しただけなのかはわかりません。同じような大きさのものを複数育てている方は試して比較してみるのもよいかと思います。

落葉して休眠となりました。

パキポディウム・デンシフローラムの開花

2018年4月14日に撮影。

春、つぼみがでてきました。

2018年5月16日に撮影。

美しい濃い黄色の花が咲きました。つぼみが次々と咲いて、開花の時期は約1ヶ月

2018年5月20日に撮影。

ずいぶん楽しませてくれました。

高温障害?

2018年8月18日に撮影

2018年の夏は異常な暑さでした。パキポディウムにはなんとなく暑さには強いというイメージがありましたが、流石に35度近い気温が連日続いたのは厳しかったようで、高温障害を起こしてしまったようです。

夏以降、パキポディウム・デンシフローラムは涼しくなっても全く成長しませんでした。

ダメージは相当大きかったようです。実生で育てているパキポディウム・ホロンベンセは葉が黄色くなり秋のはじめから落葉してしまい早々と休眠状態になってしまいました。枯れてはいませんが完全に成長休止です。

パキポディウム・デンシフローラムは高温障害で黄葉して落葉ということはなかったですが、昨年の秋のもりもりと成長したことが嘘のように静かです。

秋に新葉を全く出さないまま下の葉から黄葉が始まりました。

落下事故

気温が下がってくると日中は外、夜は室内に取り込むということも多く、頻繁に鉢を移動しています。寒さに弱い植物も多く、狭い場所の移動で注意していたつもりですが、亀甲竜のつるがパキポディウム・デンシフローラムのトゲにひっかかり、パキポディウム・デンシフローラムを棚から落下させてしまいました。

2018年11月8日に撮影。

半数ほどの葉が黄葉中でしたが、落下の衝撃で黄葉の葉はすべて落ちて緑の葉だけが残りました。

しかも3本の枝のうちの1本の損傷が激しく、先端に残っていた緑の葉も元から折れ曲がりしかも成長点あたりから落下したと見られ傷になって黒みつのような樹液が出ています。鉢も抜けてしまったので植え替えです。

根は上部は根鉢になっていますが、下の方は根ははっていたものの既に枯れていたように見えます。これも高温障害でしょうか。上部は完全に根鉢なので一回り大きい鉢を用意。

用土は赤玉土、鹿沼土、ゴールデン培養土を2:1:2位でしょうか。

鉢底の穴が隠れる程度、軽石を入れた。

2-3cm用土をいれそこにマグァンプK少々と粒状油かす小を3-4粒均等になるようにまきました。そしてその上に用土をたします。

鉢の形に角ばった部分を少しほぐすと根がこれしかありません。

そっと植え付けました。断水の時期が近いので水の量を迷いますが緑色の葉が数枚残っているので茶色い水が出なくなるまでたっぷりと水を与えました。

2018年12月30日に撮影。

夏の暑さによるダメージに落下のダメージ、時期外れの植え替えと三重苦のパキポディウム・デンシフローラム。枯れている様子はありませんが、元気かどうかは不明です。

事故以来ずっと室内に居ます。緑の葉がまだ3枚残っているので時々少量の水を与えています。枯れずに春を迎えてくれることを願うばかりです。

2019年4月29日に撮影したパキポディウム・デンシフローラム
2019年4月29日に撮影

休眠から覚めて葉をだしてくれました。流石に花はないようですが生きていてくれてよかったです

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この記事を書いた人

yurupu

ゆるぷの管理人。会社員(東京)植物栽培歴は20年。栽培環境は東向きベランダ→南西向ベランダ。400鉢くらいを管理。最近はマイナーな灌木とユーフォルビアの普及種が好きです。日本ブロメリア協会(BSJ)、国際多肉植物協会(I.S.I.J.)会員。