Billbergia ‘Midnight Sun’(ビルベルギア ミッドナイトサン)の育て方、栽培記録

Billbergia ‘Midnight sun’(ビルベルギア・ミッドナイトサン)の紹介です。Billbergia(パイナップル科・ブロメリア ツツアナナス属・ビルベルギア)の園芸品種の中では有名な品種で、Domingos Martins × Arribaの交配によって有名なリサ・ビンサント氏が作り出された種類です。赤黒い筒に白い斑点と白いバンドが入ります。季節や環境によって色の出方が変わります。写真中心に紹介と育て方を記載しています。

Billbergia ‘Midnight sun’(ミッドナイトサン)の魅力

育てる環境や時期によって色味が変化する

billbergiaは育てる環境や時期によって色味が変化します。日照が不足してくると緑色になってくるように思えます。別の種類で赤かったものが冬になり緑色になってしまって、また春になって赤くなった種類がいました。育った環境によるものも大きく、写真左は直近1年以内に成長した子株です。右は2017年に開花した株で開花時に赤みが強くなりました。

また左の子株に関しては親株に比べると白い斑点が少なめ。白いバンドの色が若干濃く出ているように思えます。非常に美しく、近年はベースが黒い個体や、赤い個体が人気があるように思える。また紫やピンクの斑点などのものが人気があるように思える。midnight sun(ミッドナイトサン)はDomingos Martinsの特徴も出ており鑑賞に向く。

Billbergia ‘Midnight sun’(ミッドナイトサン)の育て方

これは自宅の環境ではあるが、東向きのため午前中の日照を無遮光で当てている。大体午前6時〜10時の日照で、この環境だとよほど弱い植物以外は焼けることがない。南向きもしくは西日が当たる場合は、遮光が必要な場合が多い。一番良い環境は若干湿度がある状態で遮光され日照時間が長い環境だろうか。

タンクブロメリアと呼ばれ、筒の中に水を貯める。根っこは貼るがどちらかというと着生するための用途のようだ。なかなか植物自体、硬質な葉のため水涸れサインがわかりにくいが、冬以外は常に水を貯めておけば放置できる植物なので案外手間が掛からない

ミッドナイトサンの越冬について

書籍などでは水を抜いておくと記載があるが、水やりの頻度を非常に少なくする程度で良いと思う。5度を切る状態などでは水を抜いておくほうが安全のためには良いと思う。耐寒性は実はありそうで今後実験してみたいと思う。寒さにあたって葉のダメージが出たことがないが、硬質な葉のためダメージがわかりにくいだけかもしれない。成長はできる限りさせないほうがよい場合が多い、自分の環境だと日照不足で徒長気味になる株がいくつかあった。

用土について

根を張って安定すれば良いのでなんでもよいとされる場合が多い。以前バナナワニ園のビルベルギアの展示を見たときは木に着生していた。大きめ軽石と大きめ硬質赤玉土を1:1で混ぜたものを用土とすることが多い。これによって今のところは大きな問題も起きず、根が張りやすいようにも思える。

水苔のみで植え付けていたときがあるが、乾燥してしまった水苔はなかなか水をすってくれないのと、植え替え時に根が張ってしまい植え替えにならなかったので、以降は軽石と赤玉土のブレンドで植え付けている。

ヤシガラ(バークチップなど)のみで植え付けているケースをたまにみるが、根から水分や栄養をあまり補給していないとされているビルベルギアであれば扱いやすいものが良いと思う。腐葉土などの養分は不要。自分は水はけと扱いやすさ、入手のしやすさで軽石と赤玉土を利用している。

参考まで、用土を完全に無視して子供を作っていく株もある。本当は埋めてあげたほうがよいのだろう。チランジアなどと同じく一定伸びると根は硬化してしまうようだ。そうなってしまった場合再成長はしないらしいので(?)この状態で放置でもよいのかもしれない。

Billbergia ‘Midnight sun’(ミッドナイトサン)の開花

ブロメリアらしい怪しい感じの花が咲く。

なおブロメリアは殆どの場合、成長点から開花をするため、成長が止まってしまう。大体1−2年かけて子株を作って本体は枯れてしまう。

他の株があれば交配が可能かもしれない。ただBillbergia midnight sun同士で交配しても同じものはできないようだ。

Billbergia midnight Sun、ビルベルギア全体に言えることだが非常に強く手間が掛からない植物だと思う。斑点が多い場合は日焼けなどに注意する必要があり、できるだけ長い日照でかつ遮光が必要な場合が多いが自分の環境であれば無遮光で過ごせる。冬場に0度を下回るような環境にさえ置かなければ生き延びる。

1つの株から複数の子株が出にくいように思えるので、数が増えにくい。園芸品種で色々な交配がされているので札の名前と見栄えが違うことが多々あるので、名称を気にしなければ実生から育てるのも楽しそうではあるが、増やしにくい植物だとは思う。開花→子株→親株が枯れる→開花という輪廻を繰り返し寄り添っていく植物だと思う。

Billbergia ‘Midnight sun’(ミッドナイトサン)の栽培記録・成長記録

2019年5月4日に撮影したBillbergia 'Midnight sun'(ミッドナイトサン)
2019年5月4日に撮影したBillbergia ‘Midnight sun’(ミッドナイトサン)

2018年のシーズンは日照が不足したのか全体的に色が薄くなってしまった。できる限り長い時間、太陽の光が当たるような工夫を2019年は実施してみる。

2019年11月20日に撮影したBillbergia 'Midnight sun'(ミッドナイトサン)
2019年11月20日に撮影したBillbergia ‘Midnight sun’(ミッドナイトサン)

今年も1つ子株がでてくれた。日照時間が足りないのか子株は全体的に緑色になってしまっている。2020年のシーズンは日照時間を倍位、遮光環境が用意できそうなので期待したい。

2020年5月13日に撮影したBillbergia 'Midnight sun'(ミッドナイトサン)
2020年5月13日に撮影したBillbergia ‘Midnight sun’(ビルベルギア・ミッドナイトサン)

春になり野外に出しました。やや黒く色づいてきました。今年は例年とは違い12時〜16時くらいまで半日陰で管理する予定。また海外の文献をみていて、日本は軟水なのでそこまで意識しなくてもよいとおもうのですがミネラルを除いたほうが良いというのをみて、可能な限り浄水器の水を与えてみることにします。

2020年8月23日に撮影したBillbergia 'Midnight sun'(ビルベルギア・ミッドナイトサン)
2020年8月23日に撮影したBillbergia ‘Midnight sun’(ビルベルギア・ミッドナイトサン)

前回の写真から3ヶ月後ですが、雰囲気が様変わりしました。正午くらいから夕方まで直射日光の当たる環境で育てている。葉焼けギリギリの日照だろう。ビルベルギアは若干遮光をしたほうが綺麗に育つといわれているがこれも良いかもしれない。

本当にビルベルギアは環境や育て方によって色の出方が変わるので面白く、また栽培の技術が出るのだろうと思う。個人ではなくプロの方から譲って貰ったのですが入手したときが一番綺麗だったので流石だなと、思います。

2020年12月15日に撮影したBillbergia ‘Midnight sun’(ビルベルギア・ミッドナイトサン)

2020年は大体11時〜16時くらいに直射日光の当たる環境で管理をしていた。前年までに比べるとかなり日照の強さがましたがそれに伴いスポット(白い部分)が多くなったように思える。もう少し遮光をした長時間の太陽に当てるほうが全体的には綺麗な仕上がりになるのかもしれない。なかなかビルベルギアを綺麗に育てるのは難しいと感じます。

2020年は大体最低気温が1-3度になる時期まで野外で管理をしていました。2020年は12月15日に取り込みました。

2021年7月14日に撮影したBillbergia 'Midnight sun'(ビルベルギア・ミッドナイトサン)の開花写真
2021年7月14日に撮影したBillbergia ‘Midnight sun’(ビルベルギア・ミッドナイトサン)の開花写真

ビルベルギア・ミッドナイトサンは2株同時に開花しました。子株に期待したいところですが鉢がギュウギュウで株分けをするか迷いましたが群生が好きなのでこのままで様子を見たいと思います。潅水頻度を多めにしてあげるとやっぱり調子は良さそうです。

2022年3月23日に撮影したBillbergia 'Midnight sun'(ビルベルギア・ミッドナイトサン)
2022年3月23日に撮影したBillbergia ‘Midnight sun’(ビルベルギア・ミッドナイトサン)

世代の交代が進んで新しい株がまた2本できました。そろそろ株分けを伴う植え替えをしてもよいかもしれません。

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この記事を書いた人

yurupu

ゆるぷの管理人。会社員(東京)植物栽培歴は20年。栽培環境は東向きベランダ→南西向ベランダ。400鉢くらいを管理。最近はマイナーな灌木とユーフォルビアの普及種が好きです。日本ブロメリア協会(BSJ)、国際多肉植物協会(I.S.I.J.)会員。