チレコドン・ブックホルジアーナスの育て方、紹介

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つやのあるなめらかなグレーの木肌に赤黒い斑点模様。頼りなさそうなのに、妙に存在感があるチレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)。5年ほど前、たまたま店でみつけて購入した。ブックホルジアーナスについて多肉植物のことが書かれた本でも載っていることは稀である。成長は非常にゆっくりなので都市型の生活、ベランダ栽培に向いている植物だと思う。そんなチレコドン・ブックホルジアーナスを紹介。

チレコドン・ブックホルジアーナスについて

チレコドン・ブックホルジアーナスの原産地を調べる

アフリカの方の乾燥地帯、という知識はあったがよく調べると南アフリカとナミビア国境近くの極度の砂漠地帯であるリフタスフェルトという場所だそうだ。岩の割れ目のような所で生きているらしい。気温は50度を超えることもあるそうだが、夜は涼しくなり露が降りるらしい。

その植物が本来はどこでどんなふうに生きているのかを知ることは、その植物を育てるための大きな手がかりとなる。水のやりすぎは禁物で、水やりしたくて仕方がないときに霧吹きしたのは、まんざら間違いではなかったようだ。

チレコドン・ブックホルジアーナスの育て方

ブックホルジアーナスの株の様子

チレコドン・ブックホルジアーナスは冬型の植物で、春から夏の期間は葉のない木の枝の状態です。枝の状態でも、よく見れば、つやつやした木肌になったり、斑点の色が赤っぽくなったりと変化はある。

ただ、よく観ていないとその変化さえ気づかないし、その変化がはたして良いことなのか悪いことなのかもわからない。とにかく情報の少ない植物なので一般的には「冬型植物の育て方」とされる方法で育てている。

秋口から成長を始める

チレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)の画像、新芽の展開
チレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)の画像、新芽の展開

秋になると枝の先からふくらんだ肉厚の細長い葉を出し始める。グレーの木肌に赤黒い斑点、その枝先に綺麗なグリーンが映える。チレコドン・ブックホルジアーナスが元気で生きていたという証しがようやく観られたようでとてもうれしくなる。

夏の間はベランダの棚の2段目3段目あたりの雨の当たらない半日陰のような場所に置いているが成長をはじめる頃いは日光のよく当たるところに移動し、少しずつ水やりを開始します。(霧吹きを多めにかけるような感じ)

チレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)の画像2
チレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)の画像2

チレコドン・ブックホルジアーナスの芽が動き出したら鉢底から水が流れるほどたっぷりの水やりをはじめる。土が乾いて数日経ったタイミングで水をやる(1週間〜10日に1回位という感じ)水やり代わりに液肥を1度か2度与えます。

最低気温が7〜8度に下がってきたら室内に入れています。日中10度くらいになる日には外で日光浴させている。気温5度以下の外に置いたことはないですが、冬はある程度寒さに当てた方が元気なように思います。特に冬型植物は暖かい部屋でぬくぬくしているのはあまり好きではないようです。なるべく外に置きましょう。

部屋と外を行ったり来たりしている時期は水やりの回数をいくらか少なくします。

やがて葉は黒っぽくなり春頃には落ちます。梅雨に入る頃には水やりを控えて風通しの良い雨の当たらない半日陰になる場所に置きます。7月8月の夏の間はチレコドン・ブックホルジアーナスはほぼ断水している。

チレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)の落葉した様子
チレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)の落葉した様子

このところ日本の夏の暑さは異常です。チレコドン・ブックホルジアーナスは50度の高温に耐えるといってもそれは夜涼しい乾燥地帯での話で日本の高温多湿、しかも夜も蒸し暑い熱帯夜とは全く違うと思うので最高気温が32度を超えたり最低気温が28度を超えたりする時は28度設定のエアコンのかかった室内に避難させています。

取扱には注意

ブックホルジアーナス枝折れ

チレコドン・ブックホルジアーナスは非常に折れやすい。水やりよりも鉢の移動の頻度が多いチレコドン・ブックホルジアーナス。そこで問題となるのが事故率の高さだ。こんなに折れやすい植物は今まで会ったことがないというほど。

うっかり触れただけでポッキリである。折れた部分はまるでナイフで切った切り口と言ってもいいほど見事な折れっぷりである。

成長が遅くて、やっと1cm、2cm伸びた枝がむなしくぽとりと落ちる。そういう時は挿し木にしてみると良い。

挿し木でブックホルジアーナスを増やす

今まで何本挿したか。慎重に扱っているつもりだがよく折れるので7〜8本は挿している。事故は突然起こるので、挿し木の適期とか適期ではないとか全く関係なく、挿し穂の発生した時点で挿し木である。経験上言えることは、挿し穂が短いものより長いものの方が生存率が高そうだということ。

ブックホルジアーナスが折れた画像

1月半ば、大事故を起こしてしまった。部屋の一等地に置いて愛でていたところ、うっかり物をちょっとだけチレコドン・ブックホルジアーナスに当ててしまった。ちなみに鉢は倒れなかった。

ブックホルジアーナスの挿し木

チレコドン・ブックホルジアーナスの変わり果てた姿に愕然としながらどうか生きてくれと願いながらすぐに挿し木にした。折れた枝を立てるようにして鉢土に植え込むだけですが…

大事故を起こしたブックホルジアーナスのその後

1月に大事故を起こしたブックホルジアーナスであったが、4月には成長点ができた。ぽろっと折れて根付くことがブックホルジアーナスの生き残り作戦なのかもしれない。

チレコドン・ブックホルジアーナスの植え替え

ブックホルジアーナスの植え替えの適期は秋のはじめ

2018年10月12日に撮影したチレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)
2018年10月12日に撮影したチレコドン・ブックホルジアーナス(Tylecodon buchholzianus)

2018年10月12日に撮影。ブックホルジアーナスは秋に新芽を出し始める冬型植物なので、植え替えの適期は芽を出す前の夏の終わりから秋のはじめ頃が良いと思われます。

2018年は冬型植物の動き出しが全体的に遅く、10月に入ってもブックホルジアーナスに動きが見られず体調が悪いのだろうかと少し心配しながら植え替えを実施

ブックホルジアーナスの特徴、折れやすいので慎重に

元は1鉢に2本植わっていて、2年前に1本ずつ2鉢に分けた。今までに何度か枝が折れ、その都度同じ鉢に挿し木をしたので、1鉢に何本か植わった状態です。枝が折れやすいので慎重に作業します。

鉢から出すと、細い根がごちゃごちゃと絡まっているような感じの根で、植わっていた赤玉土や鹿沼土を抱き込んでいるが、根はとても弱々しいので、根をあまりほぐさず土もほとんど落とさず植えることにした。

ブックホルジアーナスはとにかく枝が折れやすい。鉢を移動させるときや、水やりのときにちょっと触れただけでポキっと折れてしまうので、鉢の淵からなるべく枝がはみ出さないように、また何鉢にも分けると移動の数だけ危険度も増すので、1回で移動が済むように、すべての株を少し大きめの鉢にまとめて植えることにした。

ブックホルジアーナスの場合は、根の様子から根を深く張らないようなので、盆栽の鉢のような浅くて広い鉢でも育てられるようではあるが、在庫していた3.5号鉢を使うことにした。

植え替え作業

用土はサボテンの土(おそらく赤玉土と鹿沼土)、赤玉土、ゴールデン培養土を1:1:1用意して混ぜて利用した。

鉢底に軽石を穴が隠れる程度入れた。

作った用土を3cmほどの高さ入れ、マグァンプKを少々均等になるように撒く。その上に更に用土を入れる。これは肥料が直接根に当たらないようにするためです。(ブックホルジアーナスはここまで根張りしそうではありませんが、、、)

根を広げるようにして植え付けたら鉢を軽くとんとんと叩いて土を落ち着かせる。

ゼオライトを表面にまくと綺麗だが、土の乾き具合がわかりにくいので少しだけまいた。そして茶色い水がでなくなる位水やりをする。

ブックホルジアーナスの折れてしまった枝をその都度挿し木してきたが、1cm位の枝は枯れてしまったが3cm位以上の長さがあるとそのまま根が出て、生きる確率が高い。

2年前は2本だったブックホルジアーナスはごく小さいものを含めて5本になっている。

植え替え後の経過

10月26日に撮影。植替えから2週間後。植え替え時は断水の時期の終わりで、枯れ枝っぽかったが1週間に1回位(表土が乾いて3日後位)ではあるが水やりを再開をしたので、幹にハリ・ツヤが出てきている。葉が出始めたものもある。

11月11日に撮影。植え替えから1ヶ月後。水やりのペースは1週間に1回位だが、そのうち1回は水の代わりに1000倍以上に薄めた液肥(ハイポネックス)を与えた。

ぷっくりした葉を出した。

枝先に変化はあるが、葉は出していない。

2cmほどの枝の挿し木も葉を出そうとしている。

ぷっくりとした葉を出したもの、枝先に変化はあるが未だに葉が出ないもの、成長はなぜかみな同じではない。植え替え時のストレスが各々違うのか、挿し木時期の違いのためか(枝が折れてしまった時に随時さしている)挿した枝の大きさ(体力)の違いのためか、理由は不明。

葉は7枚になったが下の3枚は復活した葉

チレコドン・ブックホルジアーナスの成長記録・栽培記録

2021年2月14日に撮影したチレコドン・ブックホルジアーナス
2021年2月14日に撮影したチレコドン・ブックホルジアーナス

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