夏型の塊根植物は夏には旺盛に葉を出すが、寒さに弱いものが多く、冬になると落葉し葉を落とした状態で越冬する。特に注意したいのが休眠期に差し掛かったときと、春の休眠期明け。
本格的な冬が近づき落葉する塊根植物達
気温が下がってくると生育に影響が出て水を吸わなくなってくる。そうすると徐々に落葉が始まる。特に注意したいのが完全に落葉するまでの間である。表土や植物の状態を見ながら水やりをやっている場合は、表土が乾くのが徐々に遅くなってくる。
写真の恵比寿大黒は大体最低気温が10度を下回る日がでてくると落葉を始める。
落葉が始まるといっそうと水を吸わなくなるが、それでもまだ緑色の葉がある状態だったりするし、落葉しながらも水を控えると小さい株の塊根植物であれば塊根部分が凹んできたりする。基本的には落葉が始まりある程度落葉が進んだら(落葉状態が大体50%程度)水やりを控えるほうが安全だ。
水を吸わない状態での水やりは根腐れの原因にもなる。株が小さい場合は水を欲しがっている場合、表土が湿る程度の水やりでも数時間〜半日程度すると塊根部分の凹みが治る場合がある。ごく少量の水を与えるようにしたい。
大体落葉が始まった株は半分以上落葉が進行したら気温にかかわらず取り込むようにしている。大体上記で取り上げた写真は外の最低気温が10度程度の状況。落葉していない植物は基本的に取り込まないが、最低気温が10度を連日下回ってきた頃には寒さに弱い植物は落葉していなくても取り込むようにしている。
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個体差によっては落葉しない株も
以前に投稿した記事ではあるが、同じ「パキポディウム・グラキリス」でも早々に落葉する株と、葉を落とさずに越冬する株がある。落葉しない場合は株の状態を見ながら適度に水やりを行う必要がある。
また休眠する植物に対して、例えば夏型であれば気温が下がってくると徐々に水やりを減らしていくし、冬型であれば気温が上がってくると徐々に水やりを減らしていくことになるが、減らしていかないとそのまま落葉をせずに越冬する場合がある。
アデニアやアデニウム、パキポディウムなどの塊根植物は、落葉させて越冬させたほうが安心出来るように思える。塊根性のユーフォルビアや、葉を多く持つユーフォルビアに関しては個人的にはあまり寒さに当てず落葉させないほうがよいと思っている。
恣意的なコントロールは難しいが、ある程度のコントロールはできそこは人それぞれの育て方や環境によるところだろう。近年関東の冬は以前に比べると暖かくなってきているし日本全体が暖かくなっているというのも変化の要因だろうと思う。
越冬中の管理(落葉中)
落葉した植物に対しては原則水を与えていない。管理している植物全体に葉水を与えるときに一緒にかかる程度で毎年越冬をしている。明るい窓際や日照が当たる環境に置いておいてあげるとよいだろう。
越冬が終わり春の立ち上がり
新芽が出てきたら、休眠から覚めた合図。ただし動き出したからと言って急に水やりを再開しない。動き出してから水を与えなくとも塊根植物の場合は自身が蓄えている水分で成長をしてくれる。ある程度動き出し気温も上がってから徐々に水やりを開始するとよい。
午前中に表土が濡れる程度で、翌日には表土が乾く程度の水やりから再開すると良いと思います。自分はこのタイミングでたまに枯らせてしまうケースがありますが、水の与えすぎが原因だと思っています。
春の水やりの再開のタイミングで他の植物と同様に水やりを開始してしまったために枯れてしまっただろうと思われるパキポディウム・ホロンベンセ。