植物撮影の為にスマホの接写レンズ使用レポート(スマホ用クリップレンズ)

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植物を撮影する際にもっと手軽に接写ができるようにとKenkoのREAL PRO CLIP LENS (接写 or 広角120℃)という商品を購入してみたので使用感レビュー。

スマートフォン用のクリップ式レンズ

スマートフォン用のアクセサリとして100円ショップやスマホアクセサリーショップなどでクリップ式のレンズが売られている。ネットの通販などでも結構たくさんの種類が売られているので選ぶのが難しい。

そして世の中ではほとんど使われているところを見たことがないし、いずれにしろあまりよい評判は聞かない。amazonなどのレビューを読んでも賛否両論である。

何を選ぶか

100円ショップでもマクロレンズが売っているようだが、プラスチックレンズなのでおもちゃすぎるだろうということでガラスレンズのもので探すことにした。

amazonで比較的レビュー評価が良く商品説明がきちんと記載されているものを購入検討としてあげた。

あとセルカ用途の記載が多い。アウトカメラというよりはインカメラに利用して広めに撮影したいのだろう。なお最近のスマートフォンのカメラはアウトカメラも広角で比較的寄れるし、インカメラも広角になっている。

共通していることはクリップ式、マクロレンズに広角レンズをねじ込み式で装着すること。

Vensmile 広角&マクロ(¥1,599)

0.45x広角レンズ+10.0xマクロレンズ、1年保証。ちょっと安っぽいのと商品説明文を見る限り結構微妙な日本語記載。

AUKEY PL-WD06 広角&マクロ(¥2,699)

0.45x広角レンズ+15.0xマクロレンズ、6層ガラス、2年保証。なかなか良い感じ。商品説明もきちんと記載している。

kenko REALPRO CLIP LENS KRP-065wm 広角&マクロ (¥2,582)

詳細不明、売りたかったらもっとAmazonでアピールしたほうがいいと思う。プレスリリースなどを見ると気合を入れてスマホレンズの商品を出しますとのこと。

ActyGo 広角&マクロ(¥2,799)

0.45x広角レンズ+12.5xマクロレンズ、めっちゃ品質を歌っている。japanコーティングだとか。商品説明もきちんと記載している。

普段レンズフィルダーなどでkenkoにはお世話になっているのと、トキナーで光学製品つくっているのだろうと思い、kenkoのレンズを購入することにした。

次点はAUKEYとActyGoで悩むところだけれどもAUKEYを買っていただろうと思う。

kenko REALPRO CLIP LENS KRP-065wm

外箱です。

同梱物。レンズが思ったより小さい。最新のスマートフォンはレンズが大径化していたり、デュアルレンズになっていたりするので注意が必要だと思う。

レンズキャップがちゃんとついてくるのはよい。よくわからないキーホルダーも。

レンズ交換式カメラを使っている人には見慣れたKenkoロゴ。小さくて可愛いね。レンズはそれなりにちゃんとしてそうです。

クリップ部分。プラスチックの表面処理がしてあるので手触りの安っぽさは感じない。こちらにもKenkoのロゴ。商品としてはきちんと企画して作っている感じがします。

レンズ合体。クリップにはこの様に2つのレンズを組み合わせて装着することで広角撮影が可能になる。

クリップと合体。

レンズキャップも合体。レンズキャップにもKenkoの文字が。しかし細かいところにコストが掛かっている。ただの印刷ではないから。

iPhone6Sに装着。

iPhone8に装着。レンズぴったりなかんじ。iPhone8は35mm換算で28mm相当、最近のスマートフォンの標準的なレンズもしくはそれより若干広角(広めに撮影できる)。iPhoneシリーズに関しては徐々に広角になってきている。

SONY Xperia XZに装着。Xperia XZは35mm換算で24mmとかなりの広角レンズとなっている。

作例(広角レンズ)

本来の記事の趣旨は接写なので使用感まで。また画質比較ではなく画角比較として。商品名に120度と記載があるが何をもって120度かが不明。

iPhone8 レンズ無し(28mm相当)F1.8 1/40 ISO32

iPhone8 レンズあり F1.8 1/30 ISO32

倍率はわからないが大体21mmもしくは18mmくらいの画角になるだろうか。今のスマートフォンはレンズに合わせて歪み補正をおこなっているので標準状態での撮影は歪みがなく綺麗だがコンバージョンレンズの性能と掛け合わせてかなり歪み(ディストーション)が出る。

ただ画質の劣化はそれほど感じられず21mm以下の超広角で撮影したい時は十分に利用できるのではないかと思う。気になる人はアプリケーションで歪み補正などを実施。

Xperia XZ レンズ無し (24mm相当) F2.0 1/40 ISO50

Xperia XZ レンズあり F2.0 1/32 ISO40

魚眼レンズとまではいかないものの相当の広角になった。またクリップレンズ径が小さいからか四隅にケラレが発生している。あまり使えた感じではなくあえてこの様な撮影にしたいときくらいだろうか。レンズの端を使うためか周辺画質の劣化もそれなりに大きい。実用的ではない。

広角レンズ(ワイドコンバージョンレンズ・ワイコン)はiPhoneもしくは28mm程度のレンズであれば結構使えると思う。歪みが気になる人はアプリケーションで補正もできる。28mm以下の焦点距離のスマートフォンではケラレが出る可能性があるのと広角になりすぎて実用度が減るという結果。

レンズも比較的明るく、シャッタースピードを見ると1段分の低下はなさそうなので若干暗い程度。iPhoneの作例では大きな画質劣化を感じないです。

作例(マクロレンズ)

本題の植物をマクロレンズで撮影です。作例なので普段は画質補正をかけた画像を掲載していますがノーレタッチでリサイズのみ。部分的に文章に合わせてトリミングしています。

iPhone8

iPhone8のレンズ無しで撮影。2.5号丸鉢に植わっているパキポディウム・グラキリスです。撮影が下手くそで植物自体がフレームアウトしてしまっていますがこの程度のサイズでも近寄って撮影できるのはすごい。

iPhone8で撮影。ぎりぎりまで寄ってみました。若干ピントがあまい感じはしますがかなり近くまで寄れることがわかる。この距離まで寄れると小さめのメセンなどもきちんと撮影できると思う。画素数も十分にあるのでデジタルズームもしくはトリミングで被写体を大きくすることもできる。

上記の画像を大体4倍サイズにトリミング。流石にWEBで表示する場合はブラウザのリサイズもかかってしまうので粗いですが、スマートフォン上で鑑賞するには十分ではないでしょうか?

2倍サイズのトリミングです。メセンのリトープスや実生のサボテンなども十分の解像感のある画像にすることができるのではないでしょうか?(やはり拡大してみると手前ではなくて少し奥にピントがあっていますね)

iPhone8にマクロレンズを利用。なかなか良い感じに撮影できます。ノートリミングでリトープスや実生サボテンが撮影できるレベル。周辺の画像の劣化もなく優秀なレンズだと思います。ピントが合う範囲が狭いので撮影が少しむずかしいかもしれません。

上記のiPhone8にマクロレンズを使用した作例の2倍相当のトリミング。もうなんの画像だかわかりませんがかなり解像感が残った状態の画像にできます。パキポディウム・グラキリスの実生3年目の塊根部分です。

Xperia XZ

Xperia XZで撮影。ぎりぎり寄れる範囲がここまで。広角レンズを搭載しているということを考えると悪くない結果だと思いますがiPhoneに比べると寄れないです。リトープスや実生サボテンなどは小さく写ってしまう。

このくらいまで寄れると植物を撮影するには便利なのですが、、、合わなくてもシャッターが切れます!

上記の写真を2倍相当のトリミング。このくらいになると 2.5号鉢なのである程度小さい植物でも画像としてきちんと表示することができるのではないでしょうか。

Xperia XZにマクロレンズを使用。iPhoneに比べるとレンズの焦点距離の差かここまで寄るのが限界でした。被写界深度は浅め。AndroidにはF値調整機能がついていて本当に光学的な絞りになっているかは不明ですがもしかしたらもう少し調整すると被写界深度を深くできるかもしれません(SSコントロールのためのNDフィルタもしくはデジタル管理?試していません)

上記写真の2倍相当のトリミング。少しピントがあっていないのですが、それでもかなり寄った感じの画像になります。

サボテン実生の作例

手前は赤玉土です。

上記2枚の写真は、ロフォフォラの実生株で、発芽後数日の撮影です。米粒サイズですがクリップレンズを付けることで拡大して撮影することができます。(サイズアップのトリミングは実施していません)

スマートフォンのマクロクリップレンズ撮影の総評

色々と撮影を試してみて改めてスマートフォンの守備範囲の広さを感じた。料理の手元写真を撮影する程度であればどの機種でも大体問題ない。

植物は料理の小鉢程度のものもあるので若干辛い状況があるがそれでも解像度が非常に高くA4サイズや4切サイズにも耐える。当然L版であれば半分にトリミングしても全く問題ないサイズ。

クリップレンズに関しては記事中で記載はしていないがAFがほぼ効かない。ほとんどピント合わせをカメラの前後で行う必要がある。

AndroidのカメラアプリはAF/MF(マニュアルでピント合わせ)できる機能があるがそれでも変わらなかった。なので固定式のマクロレンズといった感じだろうか。

今回の趣旨はマクロレンズではあったが広角レンズもiPhoneであれば風景撮影などで活躍してくれるかもしれない。

植物撮影に関して言えば、撮影可能範囲はiPhone8が良かった、比較的よれて倍率も高い(大きく映る)、そこからはデジタルズームや画像のトリミングで拡大していき、一定以上はマクロレンズを使い、更に被写体を大きくしたい場合はデジタルズームやトリミングを行う。

Xperia XZは広角レンズが仇となり撮影可能範囲がiPhoneに比べて接写レンズ使用と通常レンズの間に多少撮影不可範囲が広いように思える。ただこれに関してもデジタルズームや画像のトリミングで解消はできるだろう。

2.5号鉢の植物を撮影する場合やサイズが小さい植物を撮影する場合、トリミングなどを考えないのであればiPhoneのほうが使い勝手は良さそうだ。

クリップ式のスマートフォン用レンズ(コンバージョンレンズ)はお値段も手軽なので1つ持っておくと良いと思う。注意点はiPhone8 PlusやiPhone X、ファーウェイのような最近増えてきて今後スタンダードになるデュアルレンズだと取り付けに工夫が必要かもしれないという点。

商品の詳細はこちら

一番上のKenkoのレンズを購入しました、レビュー見る感じだと2番目と3番目も良さそうでした。

kenko REALPRO CLIP LENS KRP-065wm 広角&マクロ (¥2,582)

AUKEY PL-WD06 広角&マクロ(¥2,699)

ActyGo 広角&マクロ(¥2,799)

Vensmile 広角&マクロ(¥1,599)

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この記事を書いた人

yurupu

ゆるぷの管理人。会社員(東京)植物栽培歴は20年。栽培環境は東向きベランダ→南西向ベランダ。400鉢くらいを管理。最近はマイナーな灌木とユーフォルビアの普及種が好きです。日本ブロメリア協会(BSJ)、国際多肉植物協会(I.S.I.J.)会員。