多肉植物を水槽を利用してLEDライトで室内栽培するまとめ(2020年8月〜更新中)

比較的日照要件が高めな多肉植物を室内でLEDライトで栽培できるかの実験まとめです。随時アップデートしていこうと思います。

多肉植物や塊根植物を室内でLED栽培する目的

植物の育て方は難しい。栽培環境の依存度合いが多く室内における栽培方法が確立できると平準化できるのではないか?というのが一番の目的です。また栽培方法が確立すると安定した環境が植物に提供できるのではないかと考えています。

2015年9月に撮影した室内のLED栽培の様子
2015年9月に撮影した室内のLED栽培の様子

2015年に1度、梅雨時期の日照不足解消を目的にLED照明による補助的な栽培は実験していました。実験用の小さい鉢を用意して行っていましたが外で育てればよいのでは?という気が強くなって終了しました。今も同じ製品がAmazon.co.jpで販売されています。購入履歴が表示されているのでロングセラーなのかもしれない。

LED栽培をするための環境構築

室内でLED栽培をする場合は、最低限植物栽培用のLEDライトだけで良いと思うが今回はガラス水槽(爬虫類用ケース)を利用した。理由はいくつかあるが囲っておくメリットが多いと考えた。また誰でも同じ環境を再現しやすいというメリットもある。

用意したもの

植物用LEDライトの種類はなんでもよいとおもうが光源は大事だと思うので、参考にしていただき再現する場合は同スペックかそれ以上が好ましいと思います。また植物の種類によって要求する日照レベルは変わると思います。足りるか足りないかといえば足りない可能性が高いです。足りない場合は追加します。

この他に、LEDライトを点灯させるための電源ケーブルや、密閉にするためファン、ファンの電源などを用意しました。ファンなどはUSB扇風機や卓上扇風機などが良いと思います、強い趣向が入っているので。セッティングの詳細は別の記事にて紹介しますが下記の通り。

多肉植物用水槽のセッティング
多肉植物用水槽のセッティング

天井のガラスに植物用LEDライトを2つ並べる。植物はトレーにいれて育てることとして上底用のトレーの上にトレーを置く。トレーの縁まで底からは16cm。天井からの距離は28cmとなっている。

多肉植物用水槽の明るさ性能(lux)
多肉植物用水槽の明るさ性能(lux)

天井からの距離約20〜25cm程度の時、アマテラスLEDの反射板ありの場合、範囲Aで約30,000〜40,000lux。大体直射日光の50%強の遮光程度だろう。範囲Bで約10,000lux。そこから外は徐々に減少してゆき6-8,000lux程度となる。

このトレーには24鉢の植物を入れることができるが、直射日光下とは異なり場所によって大きく照度(lux)が変わる。自然下の栽培だと遮光や置き場でコントロールするところ植物用LEDライトの特性に合わせて配置することでコントロールできる。

室内でLED栽培する植物の選定

悩みましたが、比較的日照の要求が強い植物、直射日光下だと若干遮光したほうが良さそうな植物を栽培場から集めました。

多肉植物の室内LED栽培で育ててみる植物たち(20鉢)
多肉植物の室内LED栽培で育ててみる植物たち(20鉢)

水槽に入れる植物の第1弾は下記の通り20鉢。少し水槽内に余裕があるので追加を検討する。

Adenia glauca x2 / Adenia stenodactyla / Agave potatorum / Agave univitatta / Agave titanota / Alluaudia / Aloe erinacea / cyphostemma juttae / Euphorbia francoisii / Euphorbia gamkensis / Euphorbia obesa x 3 / Gymnocalycium vatteri / Pachypodium horombense / Pachypodium rosulatum var. gracilius / Tylecodon reticulatus / Copiapoa / Billbergia

多肉植物・塊根植物の室内でのLEDライトによる栽培記録

2020年8月30日に撮影した多肉植物室内LED栽培の水槽
2020年8月30日に撮影した多肉植物室内LED栽培の水槽(光源ずらして撮影しています)

多肉植物室内LED栽培の水槽立ち上げの初日。まだ水槽内空調用のファンに電源が入っていないので正式稼働ではないものの植物の選定とセッティングが終わった。比較的日照要件が強そうな植物を中心部に。配置は随時調整していきたいと思う。

同じ日にファンに電源を入れて24時間水槽内空調が可能になったので植物に水を与えた。

2020年8月30日に撮影した多肉植物室内LED栽培の水槽(ガラスを閉めた)
2020年8月30日に撮影した多肉植物室内LED栽培の水槽(ガラスを閉めた)

ガラスをしめるとこんな感じの見た目。多肉植物の場合は高湿度を保つ必要性がないのでラックや棚の上などで育てられると思うが、水槽に入れてしまうのは箱庭感があって良いと思う。まだ運用してみないとわからないが機能上のメリットは温度をあげられること、空調を効かせやすいことだろうか。

当面は水やりはガラスを外してトレーごとベランダに持っていって水を掛ける予定。冬の間はお風呂場かそのまま水を与える予定。

多肉水槽の温度・湿度推移
多肉水槽の温度・湿度推移

多肉水槽の数日間の温度と湿度のログデータ。アマテラスLEDを利用しているがアマテラスLED自体発熱するが水槽の外に設置してある。LEDライトの光による水槽内の温度向上は期待できないようだ(+1.5〜2.0度程度向上か)

大体室温が26〜27度程度で安定(夏の時期は24時間エアコンを稼働)、湿度は60度で安定しているが水槽の密閉度が低いのか部屋の温度と湿度に相関がありそうだ。

2020年9月5日に撮影した多肉植物室内LEDライト栽培の多肉水槽
2020年9月5日に撮影した多肉植物室内LEDライト栽培の多肉水槽

水やりは大体2日に1回、トレーを持ち出して外で与えている。植物や土によって乾き具合が違うが大体2日程度で概ね乾くようだ(完全乾燥ではない)。空調を回しているせいもあるとおもうが概ね外の環境と同じ乾き方。

少し植物を追加して配置を見直しました。追加した植物はPachypodium horombenseの実生苗、Pachypodium enigmaticumの実生苗。

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この記事を書いた人

yurupu

ゆるぷの管理人。会社員(東京)植物栽培歴は20年。栽培環境は東向きベランダ→南西向ベランダ。400鉢くらいを管理。最近はマイナーな灌木とユーフォルビアの普及種が好きです。日本ブロメリア協会(BSJ)、国際多肉植物協会(I.S.I.J.)会員。