アフリカ原産の亀甲竜(Dioscorea elephantipes)の場合、冬は葉がたくさん茂って青々としている時期であるはずなのになぜか一部の葉の色がさえなくなったり、茶色く変色して落葉してしまったりすることがある。それにはなにか原因があるはず。
冬は葉が元気に茂っている時期
アフリカ原産の亀甲竜は冬型なので、成長期は冬です。「8月末ころからツルが伸び、9月から12月頃は盛んに葉やツルを出し、5月過ぎから葉が黄色くなりはじめ、6月から7月頃、葉やツルは枯れて休眠となり、イモと根の状態になる」という感じで1年を過ごします。
昨年は何事もなく無事に茂り成長し、夏に落葉、休眠しました。
今年は11月中頃から、落葉の時期でもないのに一部の葉が黄色くなって茶色に枯れて落ちる葉も出始めました。
一部が茶色くなった写真です。
葉(特に裏面)をよく観察する
実は11月はじめ頃から葉の裏側に黒っぽい点を確認していました。その点は紙にボールペンのペン先をちょんとつつくようにしたときにできる点程度で、砂粒、ゴミ粒にもならない小さな黒っぽい点でした。
よく見てみると少し移動します。おそらくハダニと思われます。あまりに小さく何というダニなのかも判別できません。
あちこち他の葉も観察しましたが、そのときは他にはなく、黒い点一つを指で触るとなにもなくなりました。あまりに小さいので潰れたのかどこへ行ったのかもわかりませんが、居なくなりました。
それから毎日、葉をよく観察すると2つ3つみつかるので、ティッシュを折りたたんで少し水をつけて拭き取っていました。(一度使用した面は使わないようにした)ある程度の数でしたら、霧吹きを何回か吹きかけても落とすことができます。
2〜3日見ずにいた所、その間に爆発的に増殖したようで、1枚の葉に何個も点のあるものも出てきました。赤っぽい点もあります。
こうなってはティッシュで拭き取る除去も限界です。驚くべき早さで増殖していきます。ハダニがついた葉は色が悪くなってしまったり被害が大きいと葉が枯れ落ちることもあります。手持ちの家に在庫のあった殺虫剤はオルトラン粒状しかなく、とりあえずはじめてハダニを確認したときに亀甲竜の鉢土に少々まいてみましたが、オルトランはハダニには効かないです。
ハダニは正確にはクモの仲間で虫ではないそうだ。
ハダニの除去/駆除
ハダニの除去の有効な手段は「水で流す」です。(もちろんハダニ用の薬剤もあります)。通常の場合、ハダニは雨に当たる程度でも落ちてある程度除去できるようです。亀甲竜は11月の段階では室内とベランダを行ったりきたりしている状態で自然に雨に当たる状況にありません。
寒いベランダで冷水をかけるのも考えものなので、バスルームでシャワーを浴びせてハダニを洗い流す方法をとりました。
バスルームでシャワー
シャワーといっても温かいお湯はNGでしょう。水で良いと思いますが、我が家の建物の構造上、水道水タンクが屋上にあるので、夏はお湯のような水、冬はもうすぐ氷になるのではないかと思われるようなとても冷たい水が出ます。
なるべく亀甲竜の置かれている場所の気温に近い温度の水(10度〜20度)が良いと思います。水やりの水と同様です。水温を調整してあげましょう。
植木鉢を45度位に傾けています。普通に置いた状態でシャワーをはじめるとすぐに鉢に水がたまって溢れ出して鉢の上部から土も流れ出すこともあります。鉢土の中に大量に水がいかないようにするためです。
ハダニがよくいる葉の裏に水を当てるように下から上に向けてシャワーします。シャワーの水流は弱めです。(ジョーロの水流より少々強い程度の勢い)
シャワーの水流の勢いで元気な葉も取れてしまうのではないかと心配になりますが、元気な葉はツルからしっかり生えているので意外と取れることはありません。枯れかかった葉など弱っている葉はとれてしまいますが、これは取れてしまって良いと思います。
ただし、水流が強すぎると亀甲竜の葉はもともと薄くて切れやすいので元気な葉でも傷んでしまう恐れがありますので注意してください。何より水流が強いと水はねがすごくて自分がびしょびしょに濡れます笑
植物の大きさにもよりますが3〜4分主に葉の裏側に水が当たるように鉢を傾けたまま色々な角度からシャワーの水を当てます。
亀甲竜の葉は薄くて柔らかいので水で2枚がはりつくようにくっつくことがありますが、なるべくそれらも剥がして各々の葉に水をかけます。ハダニは葉の表側にいることもあるので、最後に上からもシャワーの水をかけます。とにかく丹念に洗い流します。
鉢を斜めにして鉢に水が入りにくいようにしても、何分もシャワーをしていると鉢底からの排水が間に合わず鉢の上部から水があふれるとおもいますが、土がこぼれないよう注意します。
シャワー終了後は、しばらくバスルームに置いて、鉢土に染み込んだ水を排出させます。葉についた水も少し鉢をたたいたりして水滴を落とします。
室内に置く関係で鉢皿を使っていますが、シャワーのあと、すぐに皿にあげると皿に水が貯まることがあるので注意します。鉢皿には水をためません。
今回のシャワーでは、茶色く乾いていた葉数枚と緑色が少し残ってはいるものの茶色くなっていた葉が数枚、合計7枚ほど葉がとれただけです。
シャワーの後は、葉は綺麗さっぱり。ハダニだけではなく室内で気づかぬうちに付着しているホコリなどもとれて本来の美しさに戻ります。イモも綺麗になっています。葉をよく見てもハダニはいません。
亀甲竜以外の植物でもハダニ駆除ではこの方法は有効です。水をかけやすいもの、葉数の少ないものほど完全に除去することも可能です。
ハダニとは関係なく、室内に置いている観葉植物はたまにシャワーすることで見違えるほど綺麗になるのでこれはおすすめです!
ハダニの根絶は難しい?
結構丹念にシャワーしましたが、水難をのがれたハダニがいたのかしばらくすると黒い点を1つ発見。またしばらくすると増えてしまってシャワーとなります。葉がたくさん茂っているので仕方のないことでしょう。
11月中ばに1回、12月に1回、1月に1回と今期は既に3回シャワーしています。しかし、また黒い点が見受けられます。
室内に置いているものなので殺虫剤もあまり使用したくないので、月に1回ペースのシャワーは少し手間ではありますが、葉についたほこりもとれて綺麗になるので、春、暖かくなってベランダでジョーロで水掛けができるようになるまで、ホコリ取りも兼ねてバスルームでシャワーすることになるだろうと思っています。
来季はハダニと縁が無いことを願っています。
亀甲竜もハダニに負けてない?
ハダニによって葉の色が悪くなったり、枯れたりして何枚も葉を失っている亀甲竜ですが1月になっても新しいツルや葉を少しずつではありますが出しています。
秋の芽吹きの頃の勢いはありませんが、それでもぼちぼちとハダニ被害に負けずに小さな葉をいくらか増やしています。
ツルの芽を摘むこともしていないので収拾がつかないほどもっさりしていますが、これがイモだけの状態からでは想像もつかない元気な亀甲竜の実態だと思います。
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