おしゃれなカフェやアパレルショップの花壇などに植えられているアガベ。その中でもひときわスタイリッシュで個性的なアガベが笹の雪ではないでしょうか。そんな笹の雪の特徴や育て方をお伝えしたいと思います。
アガベ・笹の雪について
笹の雪はリュウゼツラン属に分類される植物です。広く「アガベ」と呼ばれているのはリュウゼツランの学名もしくは英名です。
笹の雪(学名:victoriae reginae)はメキシコ北部に位置するコアウイラ州、ドゥランゴ州、ヌエボ・レオン州で発見されました。以降、様々な種類のアガベと交配されてきたため、日本でも小型のもの、斑入りのもの、葉の幅が広いもの、狭いものなどバラエティーに富んだ笹の雪を目にすることができます。
葉は深い緑色をしており、その上にペンキを垂らしたような白い模様が入っています。不規則な模様に見えますが葉の一枚一枚がほとんど同じ模様をしています。葉先にアイスピックのような固く尖った棘を持つため刺さると大ケガに発展する恐れがあります。そのため、鉢を置く場所や地植えをする場所には充分な注意が必要です。
他のアガベと比べると小さめの葉がコンパクトにロゼット状に展開します。日本では直径が十数センチの苗で販売されていることが多いですが、大きくなると直径50センチほどに成長します。
数十年に一度しか花を咲かせることがなく、穂状花序(花芽)は成長点からまっすぐ上に4メートルほどの高さまで伸びます。花は淡い緑色をしています。花が咲いた後の株は枯れてしまいます。
アガベ・笹の雪の育て方
原産地であるメキシコは比較的温暖な気候なので、春から秋にかけては日当たりと風通しのよい屋外で管理してください。気温が氷点下になりそうな日、雪が降る日には屋内で管理をした方がよいです。
寒さに当てると外側の葉(下葉)が枯れてくるのですが、成長点が健康な状態であれば葉を展開していきます。枯れている葉を外そうと左右にひっぱってもなかなか外れません。無理に外そうとするとケガをすることがありますので、植え替えで苗を土から抜きあげた時に外すようにしてください。枯れた葉を真下に引っ張ると外れやすいです。
アガベ・笹の雪の水やり
春から秋にかけての成長期には土の表面が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水を与えます。
冬になり冷え込んでくると土の乾きも鈍くなるので少しずつ水やりの頻度を減らしてください。多肉植物と比べると土の表面がすぐに乾くので、水を欲しがっているのかと勘違いをして土が乾いたらすぐに水やりをしていました。恐らくそのことが原因で下葉がたくさん枯れてしまいました。
現在の様子。(枯れてはいないのでここからまたロゼットが増えていく予定です)
在りし日の様子。そのため、冬は土の表面が乾いてから数日待って水やりをした方がよいようです。
アガベ・笹の雪の植え替え
根の成長が旺盛で根詰まりを起こしますので、一年に一度か少なくとも二年に一度植え替えをすることをおすすめします。
適期は4月初め頃から5月の初め頃までです。適期以外の時期に植え替えをしたからといって、ただちに枯れてしまうことはないのですが、成長期の直前に植え替えをするとスムーズに成長を開始できる状態に整えてあげることができます。
上の写真の苗の購入時の写真です。
抜き上げると根がびっしり。
植え替えの手順
- 古い土を丁寧に取り除きます。エケベリアなどの多肉植物やサボテンとは異なり、既存の根を短く切り詰めず、茶色く細い根のみを取るのみでとどめます。特に白くて太い根は傷めないようにします。
- 枯れた下葉を取り除きます。放置しておくと子株が土の中から外に出にくくなったり、カビの原因にもなります。
- 一回りか二回り大きな鉢に植え替えます。
用土は多肉植物用の土など水はけのよい用土を使用してください。養分は多く含まれていなくても問題なく成長しますので、基本的には用土に含まれている養分のみでも良いと思うのですが、植え替え時に緩効性肥料を混ぜたり、春から秋にかけて液肥を施しても良いかと思います。
笹の雪の増やし方
親株の株元から子株が出てきますので、植え替え時に切り離すことで増やしていきます。
植え替え時の写真にも小さな子株がついているのですが、この子株を切り離して現在はこんな様子です。
私の育て方が悪いのか、二年経過しているわりには小さい苗です…。
子株で増やす以外にも、海外のサイトから種を購入して実生で育てる方法もあるようです。海外のサイトから購入した方がフリマアプリ等で販売されていることもありますので興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。