Polymakerから2022年に発売されたPolyliteシリーズのカーボンファイバー配合のPLA-CFを輸入したのでフィラメントレビュー。
Polymaker Polylite PLA-CFの特徴
もはや個人的にはデータシートなどをきちんと公開しており一番信頼のおけるフィラメントメーカーのPolymakerから販売されているPLA-CF(カーボンファイバー配合のPLA)、OVERTUREやReprapper、SUNLUなどではだいぶ昔から販売されていたが、遂にPolymakerからも販売されたという感じ。
通常のPLAフィラメントに比べると、曲げ強度や耐衝撃性などがカーボンファイバーによって強化されているようです。またカーボンファイバー配合のフィラメントの特徴としては積層が目立ちにくいという外観上のメリットもあります。
ガラス転移温度(Glass transition temperature)は61.8℃で通常のPLAとはあまり変わりません。カーボンファイバーのフィラーが配合されているので硬化鋼ノズルの使用を推奨。真鍮ノズルだと多分1kg印刷する頃には削れて穴が大きくなっていると思います。フィラメントを乾燥させる場合は55℃で6時間が推奨とのこと。
Polymaker Polylite PLA-CFの印刷推奨環境
下記は日本の代理店のPolymakerによる推奨環境
- 推奨温度:190 – 290°C
- 推奨速度:30 – 70mm/s
- 推奨ビルドプレート温度:30 – 60°C
なお本国の公式サイト
- 推奨温度:210˚C – 230˚C
- 推奨速度:25 – 60mm/s
- 推奨ビルドプレート温度:30˚C – 70˚C
- リトラクト(ダイレクト):1mm 20mm/s
- リトラクト(ボーテン):3mm 40mm/s
データシート上だとまた違った表記ではあるのですが若干温度は高めの設定が良さそうです。
Polymaker Polylite PLA-CFのテスト印刷環境
- プリンタ:Prusa mini+
- スライサ:PrusaSlicer
- 温度:210℃
- ビルドプレート温度:60℃
- 速度:40mm/s
- ノズル:ruby nozzle 0.4mm
Polymaker Polylite PLA-CF 3DBency
カーボンファイバー配合のフィラメントらしい表面の仕上がりになっている。フィラメントの色は黒に近く、結構カラーが黒だった場合でも若干青みがかっていたりグレーだったりするが結構「黒」に近い色になっている。
糸引きも少なく、造形も非常に綺麗にできている。印刷途中を眺めているとこれは経験に基づく感覚ではあるが、非常に印刷はしやすいフィラメントになっていると思う。まだ販売されてまもないので購入時点で吸湿していないというのもあるがなかなかよい。光沢も程よく抑えられている。
このフィラメント自体はアメリカのamazon.comから輸入したものではあるが、2022年11月に日本の代理店からも販売された。値段は税込みで7,260円とPLA 1kgとしては高額な部類になる。本当かどうかわからないのと印刷難易度は変わるが、カーボンが8%配合と他のメーカーの公称に比べると少ない割合で近年円安や原材料高などがあるが若干割高な感じを受ける。アメリカだと35ドル(1ドル138円で4,858円)。国内でも通常のPLAが3,000円前後、PLA-CFが4,000円前後ということを考えると国内での販売は5,000円は切ってほしかった。
- amazon.co.jpで探す(執筆時点だとまだAmazonでの取り扱いはない)