2019年11月19日〜2020年3月29日まで、六本木ヒルズの森美術館で開催されている「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」に行ってきました。20〜30年後の未来について、植物視点ではバイオや持続性、再生エネルギーの話などが面白かった。
未来と芸術展の概要と紹介
- 会期:2019.11.19(火)~ 2020.3.29(日)
- 会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
- 料金:一般1,800円、学生1,200円、シニア1,500円
テクノロジーの発達は、いま、私たちの生活のさまざまな側面に大きな影響を与えようとしています。近い将来、人間は多くの判断を AI(人工知能)に任せるようになり、AIが人類の知能を超え、私たちの社会や生活に急激な変化をもたらす「シンギュラリティ」が到来すると言われています。また、ブロックチェーン技術は、社会システムに新たな信用と価値を作り出し、多様なバイオ技術は、食や医学、そして環境に多大な影響を与えることになるでしょう。私たち人間が身体機能を拡張させ、いま以上に長寿を享受する時代もそう遠くない話なのかもしれません。そうした急激な変化がもたらす未来は決して明るいものだけではないかもしれませんが、私たちは、少なくとも20-30年後の未来のヴィジョンについて考えることが必要なのではないでしょうか。それは同時に、豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何かという根源的な問いにもつながるのです。
本展は、「都市の新たな可能性」、「ネオ・メタボリズム建築へ」、「ライフスタイルとデザインの革新」、「身体の拡張と倫理」、「変容する社会と人間」の5つのセクションで構成し、100点を超えるプロジェクトや作品を紹介します。AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)など最先端のテクノロジーとその影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して、近未来の都市、環境問題からライフスタイル、そして社会や人間のあり方をみなさんと一緒に考える展覧会です。
セクションは大きく5つに分かれる。
- セクション1 都市の新たな可能性
- セクション2 ネオ・メタボリズム建築へ
- セクション3 ライフスタイルとデザインの革新
- セクション4 身体の拡張と倫理
- セクション5 変容する社会と人間
特にセクション1,2が我々の生活や自然との共存などを取り上げていて面白かった。展示の一部を紹介したい。
セクション1,2は大学や都市のプロジェクトの紹介が多く、写真は2050年のパリのスマートシティの展示。再生エネルギーの活用やライフスタイルの提案をすることで温室ガス問題やヒートアイランドの問題を解決する。太陽光発電や水力発電、植物を利用した空調設備等。
オーシャニクス・シティ。人工的生態系の提案。なんかウォーターワールドという映画が昔あったなあとちらっと思い出した。モジュール型の海洋都市。
Xクラウド・シティ。大気汚染や人口密度、地球温暖化によって地上に住むことができなくなった世界で大気圏内の住居の提案。植物や藻類などの有機物によって環境負荷を下げるリサーチを行っているグループのようですが、この提案も植物の浄化作用を生かしたプロダクトだそうです。元気そうなチランジア・ウスネオイデス!
藻類というとテラフォーマーズ的な、、、?笑
オアシアホテル・ダウンタウン。シンガポールにある高層ビルで、オフィスとホテル。植物でできた塔のような見た目でビルの途中にいくつものスカイガーデンがもうけられていて建物全体の緑化率は1,100%。都内は規模の大きい施設の場合は緑化率などが定められていると思いますが日本の都市部にもこういった建物が増えてほしい。池袋にある豊島区役所とか。
シンガポールはこういうコンセプトが多いですね。有名なガーデンズ・バイ・ザ・ベイやパークロイヤル・オン・ピッカリングというホテルなど。
植物テーマの展示ではないですが、環境問題や持続可能な開発目標、環境負荷軽減など未来はやはり植物の力や自然との調和の大切さが伝わってくる展示が多かったです。