Prusa enclosure用の連結パーツを作って連結した

Prusaから販売されている主にメインストリームのMK3/MK4向けのPrusa enclosureを複数台連結するためのパーツを作ってみました。

Prusa enclosureの複数台運用について

Prusa i3 MK3時代にPrusa enclosureといえば、IKEA LACKで作る人が多く、Prusaの公式でも紹介していた。個人的にはPLAとPETGの利用がほとんどなのでエンクロージャー導入のメリットはそれほどないのだが、プリンタの入れ替えのタイミングでせっかくならばとPrusa純正のPrusa enclosureを複数台導入してみた。

なお、品質はそれなりに良いとは思うがめっぽう高価。1台ならばまだよいがファームを構築しようとするとかなり予算が必要。囲いが不要な場合はなおさらで、オリジナリティが必要であれば金額の確認はしていないがアルミフレームで組んだほうが安そうではあるし、奥行き600mmの業務用スチールラックで十分だと思う。所謂お布施ラック。

Prusa enclosureの複数台運用の問題と解決したい課題

公式では、4台まで縦に積むことができるとしている。3台以上の場合は壁などに固定して使ってもらうという旨も記載してある。まず4台以上の場合、最上段にアクセスするためには脚立が必要だし、最下段を床置きにした場合は作業性がすごく悪い。自分は3段積みの2段利用(下段は物置)という値段が高いエンクロージャーを更に割高にしてしまっている。

また3段以上積むと、Prusa enclosureの足の部分がPrusa mini+の足についているようなスポンジでものすごく揺れる。特にIS(Input shaper)で高速印刷しようものならばかなり揺れる。壁に固定して利用していないが壁に固定したとしてもかなり揺れるのではないかと思う。そもそも3段積みで最下段のスポンジは潰れてしまっている。本当に検証したのか?と思うくらい実用的ではないと思った。

解決したい課題:この揺れをなんとか抑えられないか

幸いにも純正のPrusa enclosureはそれなりに重量があること、中に入れるMK4は振動が結構抑えられていること、3Dプリンタをenclosureに入れる際にも防振は多少気を使うということで振動に関しては総重量で立ち向かうことに、すなわちPrusa enclosureをリジットで連結してしまおうと考えました。

連結用のオリジナルパーツの設計

実際に採寸からの場合、現物合わせなどをしながらでないと作れないのですが、パーツデータを利用させてもらって設計しました。

印刷

寸法などはよいですが何度かプリントして微調整をして最終的にはこの形になりました。Prusa enclosureを上下左右に連結するためのパーツです。

印刷できました。それほど強度は必要ないのですが、縦方向にはそれなりの力がかかるので壁を少し厚めにしました。あまり意味はないとおもいますがインフィルも若干普段の印刷設定よりも増やしました。印刷したものは固く手で曲げることは難しいくらいの強度はありました。

取り付け、組み立て

趣味で作っているパーツですが、勝手に「SSN WORKS」という文字を入れました!自己満足。パーツの寸法精度よりもPrusa enclosureの組み立て精度のほうがかなり影響しています。パーツ側はネジ穴に対してのクリアランスを少し持たせつつ、組み立てたPrusa enclosureのネジを緩めて連結していきました。Prusa enclosureに予備のボルトとナットがそれなりに付属していて複数台あると在庫はたくさんあります。M8のボルトとナットを使って止めていきます。エンクロージャー右上のスプールホルダーに関してはM3x20のネジをAmazonで購入して共締めします。

床との設置もオリジナルの足を作って、防振マットのようなものの上においています。四角く切り抜かれているのは本当は50×50の防振ゴム、防振ジェルをはめようと思ったのですが実際はめ込んでみると振動は取れるのかもしれないが印刷すると揺れたので取り付けはやめて床に敷いた防振マットの上にこの写真の足のまま設置することにしました。

2台同時に連結しないといけないタイミングがありなかなか連結が難しかった。

こんな感じで黙々と組み立てながら連結していきます。電動ドライバーがあると便利です。Prusa enclosureのネジの利用本数が半端ない。電動ドライバと六角のビットがあると3Dプリンタいじっている場合は便利なので1つ持っていても良いと思います。

Prusa enclosureのリジット連結が完成

Prusa enclosureを11台連結!多分日本でここまで並べている人はいないのではないでしょうか?!統一感と純正アクセサリーという満足度、いざとなったらASAやABSなどを印刷できるという環境になりました。ちなみに1台輸送費含めると6万円くらいします、1-2台ならば良いと思いますが6万円あれば3Dプリンタが10台乗るスチールラックが買えます。おすすめはしません…。

合計で100kgを超えているので結構振動や揺れは抑えられています。二度と組み立てたくないので引っ越しの際などは大変そうですが、作業工数と購入金額を無視すれば非常に満足度の高いラックとなりました。オリジナルパーツなどで拡張性があるのもよいです。何か機会があれば作ってみたいと思います。

(参考)SSN WORKSとして下記のパーツを自分用に作ってみました

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この記事を書いた人

SSN

3Dプリンタ鉢の企画、販売。植物販売など