アエオニウム・黒法師の育て方

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艶のある紫色の葉を持つ黒法師は、落ち着いた雰囲気で若い女性はもちろん、年配の方や男性まで幅広く人気のある多肉植物です。切り戻しをする位置や脇芽の出方によって唯一無二の形に仕上げることができます。挿し木で増やすことによってさまざまな趣の黒法師育ててみませんか。黒法師の特徴や育て方、増やし方についてご紹介します。

アエオニウム・黒法師について

アエオニウム・黒法師の写真
アエオニウム・黒法師の写真

黒法師は、ベンケイソウ科アエオニウム属に分類されます。

多肉植物が成長する時期を分類した「春秋型」「夏型」「冬型」のうち黒法師の成長期は「冬型」にあたります。そのため、夏は休眠し、秋になり涼しくなってくると精力的に活動を始めます。

葉はロゼッタ状に上へ上へと更新します。古くなった葉は枯れ落ちていくので年数を経るごとに茎が長くなります。茎が長くなりますが決して徒長しているわけではなく健康的な成長の様子です。ただ、全く徒長をしないのではなく、室内などの日光に当たらない場所で長く管理していると葉の数が少なくなり、茎の先端がだらりと曲がってしまいます。そうなってしまった場合は葉焼けしないように少しずつ日光に当てるようにするとよいです。

「黒めの黒法師」
「黒めの黒法師」

黒法師は春にたくさん日光に当てると、紫色の葉はより黒色に近い色になります。

しかし、「黒法師」として販売されている中でもいくつか異なるタイプが存在するようで、実際に私が初めて購入した黒法師は、頑張っても「紫法師」で真っ黒になることはありません…。成長期になると紫さえも「どこに行った?」と思うほど緑色になります。

「紫めの黒法師」
「紫めの黒法師」

写真の黒法師はどちらも一つの鉢で同じ環境のなか育っているのですが葉の色が異なります。

私が把握している黒法師の種類だけでも「黒法師」「まだら黒法師(真っ黒ではないタイプ)」「真っ黒法師(真っ黒になるタイプ)」「黒法師錦(斑入りで紅葉すると鮮やかなピンクに近い紫色になるタイプ)」があります。

その個性は色だけではなく、育ち方にも違いが出てきます。その詳細は「黒法師の個性」でご紹介したいと思います。

黒法師の花はロゼッタの中心にあたる成長点から花芽を伸ばし、花を咲かせます。成長点が消滅するため、葉を更新することができなくなるので、花が咲くとその株は枯れてしまうと言われています。

そのため、株を残しておきたい場合は花が咲く前に花芽をカットすることが勧められています。

ちなみに私は黒法師を育て始めて3年が経ちますが、まだ花芽が出現したことがありません。他の多肉植物と異なり、半年や1年で花を咲かせたりすることはないようです。

アエオニウム・黒法師の育て方

黒法師の増やし方(挿し木)

葉挿しはできないので、黒法師の増やし方は主に挿し木で増やすことになります。挿し木で増やす方法を紹介します。

黒法師の挿し木の時期

黒法師を挿し木で増やす時期は、真冬や真夏を避けた3月~6月、10月~12月頃だと安心です。挿し木で使用するカッターは新しい刃を使用するか、アルコール(キッチン用でも問題ないです)で消毒をしています。雑菌が切り口で繁殖してしまうと腐ってしまうこともあるようです。

カットした苗(頭の部分)は1日根元を乾かした後、土に挿しています。初めて挿し木に挑戦した時は発根するまで待ってみたのですが、なかなか根が出ませんでした。結局、発根を待たずに土に挿したのでどれくらいでカットした黒法師が発根したかは謎ですが2~3か月ほどかかったかと思います。新しい葉を更新し始めたら発根しています。

黒法師の挿し木で増やすことは難しくないのですが、根気が必要です。なかなか発根しなくても「失敗した」と思わずに気長に発根を待ってください。

用土は挿し木用の用土ではなく、親株と同様にサボテン用土と花用の土を1:1で混ぜたものを使用しています。一般的に挿し木をする際は雑菌や養分が含まれていない土を使用することが勧めらていますので気になる方は挿し木用の用土を使用されてもいいかと思います。

土に挿した後の水やりは発根していなくても一週間に一度、たっぷりと与えています。水を与えることによって発根を促せているような気がします…。

黒法師の個性(黒っぽい個体と緑っぽい個体)

前述の通り、2種類の黒法師を育てているのですが、黒っぽい黒法師は脇芽は出にくく、緑っぽい黒法師は脇芽をたくさん出します。

そのため、脇芽を出さない黒法師から脇芽を出すにはカットをする必要があります。

「脇芽を出す黒法師」の写真
「脇芽を出す黒法師」の写真

また、黒っぽい黒法師は成長しても茎が太くならないのですが、緑っぽい黒法師は成長するとともに茎も太くなりました。

黒法師の植え替え

成長期に入る10月頃が適期です。

黒法師を大きくしたいと思っているので市販のサボテン用土に花用の土を1:1で混ぜて植え付けています。私がいつも購入しているサボテン用土には養分が含まれていないことと、花用の土を混ぜることによって保水性を高くすることを狙っているからです。

ある程度大きくなった株は植え付け後に自立しにくくなりますので支柱を立ててあげます。

支柱を立てる場合は鉢に二分の一ほど土を入れた後、支柱を鉢底に当たるまでしっかり挿します。その後、苗を入れ、土を隙間なく入れます。最後に支柱と黒法師を麻ひもなどでくくりつけたら完成です。

大きくしたい場合は春と秋に一回り大きめの鉢に植え替えると機嫌よく大きくなってくれます。

水やり

春と秋は一週間に一度たっぷりと与えます。真夏と真冬は水を控える。というのが基本ですが、私は雨ざらしにしているので基本よりも多めの水やりになります。雨ざらしで育てていても元気いっぱいです。冬型といえども雪を積もらせてしまうと凍結してしまうので雪が降る日は玄関に避難させています。

日当たり、置き場について

日当たりがよく風通しの良い場所が適しています。真夏に日当たりが良すぎて葉焼けをする場合は多少遮光をするか、半日陰になるような場所に移動します。日当たりが悪いと黒法師は徒長したり色が薄くなり緑色になる場合があります。

徒長をすると葉が詰まった感じがなくなり細くなる傾向があります。徒長してしまった場合は置き場を工夫しましょう。

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